ミカエルのあっせん?光と春奈の仲直り
光が、大聖堂天井に浮かぶ天使に声をかけた。
ただ、いかにも面倒そうな声。
「ねえ、ミカエルのおっさん、浮かんでないで降りてきて」
「お腹が痛くて、顔を上に上げるだけも大変なんだ」
しかし、ミカエルは、すぐには降りてこない。
「私は浮かんでいても問題はないのです」
「それに、お腹が痛いのは、光君がいけないのでは?」
少し間を持たせている。
光は、その言葉には、少し黙った。
その黙った光に、ミカエルが追い打ちをかける。
「とにかく、春奈さんを光君の隣に」
「面倒なのは、こっちの方です」
「報告はそれからです」
光は、やれやれという感じ。
後ろを振り向いて春奈の顔を見る。
春奈にも、天使ミカエルの言葉を聞いていたらしい。
複雑な表情をしている。
なかなか、一歩が踏み出せない。
やはり、ソフィー、ルシェールに「言い過ぎ」と責められ、光にも「他人行儀」な態度をされたことが、尾を引いている。
すると光は、動いた。
うつむき加減の顔で春奈の前に立った・
そして
「春奈さん、僕の隣にお願い」
春奈は
「うん」
と言うけれど、顔は晴れない。
そして
「ミカエルが言ったから?」
ついつい、また文句気味。
しかし、光は首を横に振る。
「違うさ、僕が春奈さんに来てもらいたい」
ついでに春奈の手を握ってしまう。
春奈は、途端に顔が真っ赤。
それでも文句を言う。
「ふん、薄情者の他人行儀者のくせに」
光は、そんな春奈に反発。
「最初にいじめてきたのは、春奈さん、他人行儀はしていないし、薄情じゃない」
春奈は、その光にまた文句。
「じゃあ何?さっきの冷たい態度、先生って言い方も気に入らない」
光は、また抗弁。
「だって、お腹が痛かったし、学園だもの、学園内で先生って言うのが当たり前」
そんなやり取りが続くけれど、途中で二人は、文句を言うのが面倒になってきたらしい。
光
「とにかくミカエルのおっさんが待っているしさ」
春奈
「そうだね、何を言ってくるのかなあ」
と、言いながら光の腕を組んでしまった。
それを見たミカエルは、ふふっと笑う。
華奈はキョトンとなった。
「・・・仲良くなっちゃった・・・」
ルシェールは、ブゼンとした顔。
「春奈さんを、追い出しにくくなった」
ソフィーは落胆。
「さすが、前世からの因縁深い二人、喧嘩してもすぐに戻る、これでは入り込むスキがない」
他の巫女は同様に複雑、ため息をついている。




