表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
120/371

光の読み、天使の出現

赤坂の大聖堂は、かつて光(阿修羅)と金剛力士二体が、ミノタウロスの大群とドラキュラと戦った因縁の地。

また、ドラキュラとのし烈な戦闘の後、光が瀕死の状態になり、ルシェールが聖母マリアとイエスから授かった「愛の妙薬」を、口移しで飲ませて、光を回復させた場所でもある。

その時の激戦を思い出す巫女たちは、複雑な思い。

また、キャサリン、サラ、春麗もその情報は把握しているらしい、興味深そうな顔で、大聖堂の前に立った。


マルコ神父が全員に声をかけた。

「光君、そして巫女様方、ようこそお越しいただきました」

「すでに大聖堂内では準備ができております」

とまで言って、ルシェールを呼び寄せ、何か打ち合わせ、それもすぐに終わった。


マルコ神父は、言葉を続けた。

「さあ、さっそく大聖堂の中に」


その言葉で、光と巫女たちは、歩き出す。

ただ、光は、まだお腹をおさえたまま、苦しそうな顔をしている。

ルシェールが光の前を歩き、いつもの通り由紀、キャサリン・サラ・春麗が警護をする。


春奈、由香利、華奈はその後。

ソフィーが一番最後を歩く。


春奈がソフィーに声をかける。

「一番最後を歩くのは、全体の警護のため?」

ソフィーの答えも、即座。

「その通り、私たちの警護は日本政府の責任でもある」

「大聖堂の結界とは言え、どんな悪霊が見張っているかはかり知れない」


ソフィーの言う通り、いつの間にか、警察車両だろうか、数台の車が大聖堂を囲んでいる。


全員が入った時点で、大聖堂の扉が閉じられた。


ずっと黙っていた光が、ルシェールに声をかけた。

「ねえ、ルシェール、ミカエルの特別の報告があるっていうのは昨日のことなの?」


ルシェールは、頷いた。

「うん、そうだよ、光君、それと蠅の神の報告」


マルコ神父からも光に声がかかった。

「光君、とにかく面倒な神です、しつこく毒と混乱をまき散らす」

「蠅の羽からは毒、羽音からは混乱」

「しかも、あちこちに巣を作り、繁殖力は強く大量発生なのです」


光は、ますます苦しそうな顔に変わった。

「そうだねえ、そうなる」

「でも、ミカエルのおっさんが、特別報告って言うんだから、それだけではないのでは?」


ルシェールは、その言葉にハッとした顔。

「うん、光君、蠅の次には・・・」

と言いかけた時だった。


大聖堂の電気照明が全て消えた。

一瞬、大聖堂の中は、真っ暗。

しかし、次の瞬間、眩いばかりの光が、大聖堂の天井に発生。

大聖堂内は、電気照明など比較にならないほどの、神々しいまでの明るさとなった。


そして天井から声が降ってきた。

「光君、いや阿修羅様」

「それから巫女様方、ようこそお出でくだされました」


光と巫女全員が天井を見上げると、背中に羽を生やした天使が確かに浮かんでいる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ