春麗の四川料理
さて、光と圭子叔母の会話はともかく、春麗指導の四川料理は、出来上がったようだ。
巫女全員が協力して、大皿などで、テーブルに並べられた。
そして春麗が、料理を前に一言。
「四川料理ですので、皆さま、特に日本の方々には、辛いかもしれません」
「しかし、この辛みが、体内の毒素を排出する効果」
「身体全体を活性化させる効果」
「辛さによって、精神を高める効果などがあるのです」
「今後の、いつ何時、何があるかわからない闘いにおいては、常に活性化された肉体と精神は、欠かせません」
光も、春麗以外の巫女たちも、全く異存はないらしい。
とにかく食べてみたくて仕方がない様子である。
そして、光の目の合図で、食事が始まってしまった。
光は、まずスープを飲む。
「この四川風エビの頭のスープ、エビ味噌だね、それで豆板醤とコチュジャン?ゴマ油も入っている、すごく濃厚な赤いスープ」
「でも、美味しい、身体が熱くなってきた」
春麗は、そんな光がうれしいらしい。
「よかった、身体の全細胞を活性化して、くだらない毒素なんて、やっつけちゃうよ」
その超可愛らしい顔が、ますます光っている。
春奈とソフィーは、「牛肉の唐辛子汁煮」が、大変お気にいり。
春奈
「牛肉と青野菜を唐辛子と山椒で煮るって、日本人だと考えもしないなあ」
「メチャ辛いけれど、どんどん身体に入る」
「全細胞が活性化するんだから、また、若返りするかなあ」
「よしよし、これでお嫁さん候補復活だ」
結局、全てが、それに直結するようだ。
ソフィー
「前に漁師鍋をチゲ風にしたけれど、それに匹敵するなあ、でも山椒がきいている、これはダイナマイトだ」
「これだけで、丼2杯はいける、ますますパワーアップだ」
「光君にもう一度剣道勝負すれば、一本くらいは取れるかもしれない」
いつもの、おすましソフィーではない、思いっきり食べている。
由香利、由紀、ルシェールは、「細切り豚肉の豆板醤炒め」を食べている。
由香利
「確かにスープも濃厚、牛肉もメチャ辛で美味しい、でもこの甘酸っぱく、ピリッとした辛みがいい、ご飯が美味しい」
由紀
「チンジャオロースーより辛めって感じ、とにかく食べやすい」
ルシェール
「さすが春麗だなあ、火の通しかたが完璧、細身だけど、鍋を振るパワーがすごかった・・・でも、美味しいからまずは食べよう」
ただ、三人とも、辛いらしく、ご飯が二杯目になっている。
華奈、キャサリン、サラは、「角形骨付き豚バラ肉の直火焼き」と格闘している。
華奈
「肉に下味をつけて、火にかざして焼くだけの原始的な調理法なんだけど、美味しくてたまらない」
キャサリン
「その下味が、塩と山椒と紹興酒とごま油だけなのが、シンプルで飽きが来ない味になるんだね」
サラ
「確かに北京ダックとか子豚の丸焼きにも引けを取らない、これは美味しいなんてもんじゃない」
とにかく、食が進んでいる。
四川料理に夢中になってしまった、光や他の巫女を見て、春麗はますます、うれしそうな顔。
「この後は、華奈ちゃんと作ったデザートを出すよ、それも期待してね」
そして、もう一言付け加えた。
「四川料理で、汗をたくさん出したと思うから」
「お風呂は、ジャスミン風呂にしよう、実は花も届いているの」
春麗の顔は、まるで花のように輝いている。