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予告 : 青林檎の花待ちながら
幾億宵も前に昇った陽の中で、倣いの聖者は翼を削いだ。
幾百宵より近い秋の日、無名の君主が朱に溺れた。
「綺麗。なのに寂しいね」
決して止まらず流れ続ける時の中、
せめて―――― 置いて行って呉れればと。
「スターチス、ね。其れが貴方の望みなんだ」
幾度 祈りを捧げたか。今は亡き神と知りながら。
「持ってっても良いよ、其れ。――――欲しいなら」
址に残るは、凡てが虚像。
“思ひ出”などと讃えられる、今にも 崩れそうな幻想。
影さえ捉えられる此の眼に、映らぬ其れは何と 曖昧なことか。
蝕まれていく真の想い。願いという名の闇香に、思考回路は壊されて。
「――――――ごめんな」
からからと、静かに時を刻み続ける、
風車だけが視ていたうつつ。
金木犀の花が咲く。
如何足掻いても変わらないなら、
『いっそ、消えてしまえばいい』
神も、街も、人間も。
凡て失くしてしまえたら。
―――――“僕らと人の運命は、間違いなく相入らないで。今も”。




