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大和帝国  作者: 霧
設定・プロローグ
1/6

プロローグ

とある世界



「撃て!撃て!撃て!!この陣地を死守し、民間人の避難の時間を稼ぐんだ!!!」


1人の司令官の言葉に反応するように兵士達が魔物に向かって銃弾や砲弾を放つ。



時は皇紀2680年…この年とある国が滅びようとしていた。その国家の名は『大和共和国』。この世界では、人間が作った最大・最強の国家として有名だった。しかし、今から320年前に起きた魔物と人間との戦争によって世界は火の海と化しこの国も戦火に巻き込まれるのであった。

この国の不幸だったところは、政府が反戦主義者であったことだろう。必要最低限の兵器しか残されなかった軍隊は、過去のような強力なものではなく、前線を維持するだけでも困難だった。しかし、そこは軍人である。国家や愛する人のために懸命に闘い…約100年間は防衛に成功していた。だが、魔物の兵器と量に徐々に前線が後退していった。国家の要である首都は、既に魔物の秘密兵器によって 完全崩壊し反戦主義者の政府の役人は死んでいた。

また、建国以来続いていた天皇家も一人を除いて全滅していた。




「司令官!弾薬が足りません!」


「こっちも弾薬が足りません!」


数と言う暴力に民間人の避難の為に維持していた前線も少しずつ崩壊していった。


「くそ!やはりあの非国民どもを潰しておくべきだった!大尉、民間人の避難はどうだ!」


「今でやっと半分です!」


「まだか…しかしこちらも火器や弾薬の予備がもう少ししかない…」


「司令官!第1次防衛戦を放棄しましょう!」


「ダメだ!今、放棄すれば避難は絶対間に合わん!避難が7割になるまでは何としてでも持たせなければならん!」


「しかし!もう武器も弾薬もありません!」


(ここまでだと言うのか……)



司令官は迷っていた。確かに第2次防衛戦まで撤退すれば、弾薬や武器を補充できる。しかし、現在の民間人の避難速度を考えるとそこまで撤退すれば、全員の避難に間に合わないのだ。


(しかし、弾薬や武器がなければ、我々は敵の的にしかならない…撤退だ…「失礼します!」



司令官は、撤退を決断した時、1人の士官が入ってきた。



「どうした?」



「司令官、援軍です!大和宮殿下率いる第1・第3軍並びに補給部隊が来ました!」


「本当か!」


司令官が驚くのも無理もない。大和宮殿下…本名『大和武(やまと たける)』そう!彼が唯一生き残った皇族であり、転生者である。そんな彼が援軍として来たのだ。


「はい!そして殿下から司令官宛に打電があります!」


「読んでくれ!」


「はっ!『よくぞ耐え抜いた!しかし!まだ避難が終わっていない…避難が6割完了するまで私と共に防衛維持を協力してくれ』とのことです!」


「通信長、殿下に打電してくれ!内容は『殿下と共に戦えることに光栄です!』だ!」


「了解しました!」


「総員、殿下が援軍として来て下さった。我々と共に戦い、防衛を死守したいとのことだ。支援物資もある!殿下の願いを叶えるのが我々の宿命である!奮起せよ!」




後に民間人の避難が完了し、殿下の指揮の下、防衛戦は放棄し、置き土産を置いて撤退した。

避難作戦は成功した。魔物は、陸軍と空軍は強力であるが、海軍は貧弱であったため、これ以上の追撃はしなかった。






そして…時は皇紀2780年…100年の月日をかけてとある国が建国された。その国家名は、『大和帝国』。大和共和国で発生した問題点や反省点を踏まえ、誕生した独裁国家。全てはかつての栄光と繁栄を取り戻す。

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