始まりの始まり。新たな命
目が覚めた。
目の前には1人の少女が、こちらを見つめていた。
『うぉいしょー、え?、え?どうゆう状況?』
数秒の沈黙の後、状況が理解出来ず変な言葉を発してしまった。
『おはようございます。お休みなさい。』
『いやいや、起きたばっかりだよ?どうしてまた寝かすの?』
目の前にいる少女は言っていることがおかしくて少し笑ってしまった。
『初めまして、私、シャルと申します。』
『俺は鏡 京介!よろしくシャルさん』
シャルと名乗る少女は黒髪で瞳は青く、少しぼ〜とした表情をしている。
自己紹介を済ませると、ノックをして誰かが入って来た。
『あの〜具合はどうですか?お客さん』
『すみません助けて頂いて、具合はすっかり大丈夫です』
『お嬢様、おはようございます。今こちらの客人も起きられた所です。また深い眠りにつきます』
『何さらっと他人を殺そうとしてるの?おかしくない?』
お嬢様と呼ばれる人物はとても柔らかい顔つきでこちらを見ている。
髪は見た目がいい肌色で、瞳は淡い紫の色をしていて綺麗に見えた。
普通の会話をしていると、メイドらしき少女がこれからの生活などを聞いてきたので事情を話す。
『そうなの?それならこの屋敷で働きませんか?』
『え?! でも俺家事は何も出来ませんよ?NEETだったから』
『にぃーと?って何かわからないけど大丈夫ですよ。この屋敷の家事は基本シャルに任せていますので』
『なら逆に俺は何をすれば?』
『私の騎士になりませんか?』
突然の申し出最初何を言われたのか分からなかった。
だが、お嬢様の説明を翻訳すると。
お嬢様は学校に行っていない。学校に行くためには精霊、または護衛をしてくれる騎士が一緒でないと入学が出来ないらしい。
だからお嬢様は俺を付き人にして学校に通いたいらしい、いや学校に通ってやりたい事があるらしい。
『私、友達が欲しいの!それだけが私の願いかな』
綺麗だがどこか寂しそうな目で見てくる。
俺に騎士はなれない、けど助けてもらったお礼がある。それに一回死んだ俺の命、そして君にもらった命。この命は彼女のために使う!そう心に誓った!だから俺は彼女に向かって跪き彼女の手をとった。
『貴女に頂いたこの命、貴女の夢が叶うまで、貴女の幸せの為に使わせて頂きます』
『その体勢はどうゆう意味でしてるの?(笑)』
『これは君に敬意を払う体勢だよ?』
体勢の意味は分かってくれたみたいただ。ただ格好つけてやったのに分かってもらえない時点で少し恥ずかしかった。
『そういえば君の名前を聞いていなかった。教えてくれない?』
『私の名前はマーティア!よろしくね京介』
『マーティアか、よろしくね』
こうして俺のここでの生活が始まる。
今まで他人に関わらなかった俺は彼女にもらった新しい人生でこれからどんな人生を送るのかまだ分からないが、彼女の笑顔だけは壊さない!これだけを心に誓った。