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Real恋愛ゲーム  作者: 成惡*サイチュウ
【日常篇】
4/11

【1-4】能力の目覚め【forthstage】

「――はぁ……」

起きた。朝だ。

プロミネンスソードはまだ放られたまま床に落ちていた。


「はぁ……」

夢ならよかったのになぁ。


「リンくーん!学校いこうよー!」

外から声が聞こえる。時計はまだ七時二十分を指している。

……そうだ、俺は学校に行くんだ。

こんな訳わからん状況なんか逃避してやる!登校だ!


「よっしゃ学校いこう!」


身支度を1分で済ませ、玄関を開けると、衿がいた。


「えっ……」

「よっしゃ学校行くぞ学校!学校だ!」

「ちょっと、いきなりどうしたの――」

「俺はお前と学校に行きたいんだよ!無性に!」


衿は何度か目をパチパチとさせ、そのまま顔を赤くしてうつむいてしまった。


「ん、どうかしたか?」

「なんでもない……」


そのまま体をくるりと回し、そのまま歩き出してしまった。

なんだ、変なやつだなぁ。


―――――――――――――――――――――――


学校では、まったく授業に集中することが出来なかった。


まぁ、当たり前だ。昨日の夜にあんな衝撃的なイベントが起きたんだ。対応しろというほうが難しい。

しかし、そのせいか、今日の俺はなかなかに挙動不審だった。

弁当の時間には、エンピツでメシを口に運ぼうとしたし。

英語の時間では、アイロニーの日本語訳に「アイロンである様子」って答えたし。


なんとなく汐乃さんのほうをチラッと向いてみた。

うん、見なかったことにしよう。

汐乃さんの「あなたが見ることを予測していました」的な意味ありげな薄微笑なんてみていない。

汐乃さんマジパネェッス……。

珪蛇の方も一応向いておいてやるか……、えっと、何やってんだろ。

俺にはどうにもあいつが真面目に勉強しているようにはみえない。手に持っている教材が漫画だったからだろうか。


――こんな調子で授業はあっという間に過ぎていった。


「ふぅ……」


放課後になった。今は身支度をしている。


「あれ?いつものいわねぇの?燐夜」


同志Aの時雨 逸人君が話しかけてきた。たしかジャ○プ漫画が好きな奴。


「ごめん、俺ちょっと今日パスするわ」


「「「えええええ!?」」」


連中の声が重なった。あからさまにざわざわするな。


「まぁ、そんなわけだから、俺帰るわ……」


衿もまだ机に座ってなんかやってるし、さっさと一人で帰ろう。


――――――――――――――――――――――

俺はここでも驚愕を目にすることになった。


例のプロミネンスソードが無くなっていた。

紛失というより、消失。


なんかもう何が起こっても動じなくなってきた。悪い傾向だと思う。


そうはいっても、どこにいったのかはわからなかった。

そうやって少し考えていると、ふと一つの可能性が思いついた。


俺はとっさにゲームを起動して、『戦銃死(略名)』をスタートさせた。


そこで俺はまた武器カタログを開いて先刻と同じ様にプロミネンスソードと対になる剣、『アクアリングソード』の項目を開き、それを見て呟いた

――『アクアリングソード』、『欲しい』なぁ


そして、それは必然かのようにTV画面は光り、プロミネンスソードと同じ様にそれは出てきた。


――なるほど……。


つまり。

カタログのページを繰り、刀の項目の中の『マサムネ』を見て先ほどと同じセリフを呟いた


――『マサムネ』、『欲しい』な。

……その刀は、出てくることはなかった。


「ふぅん……?」


堅い錠が外れる音がした気がした。

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