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Real恋愛ゲーム  作者: 成惡*サイチュウ
【日常篇】
3/11

【1-3】能力の目覚め【third stage】

俺は昔、仲の良かった親友――とまでは言えないが、そいつにこう言われたことがある。


「お前ってさ、ゲームとか大好きじゃん?もしも実際にゲームの中の物が現れたらお前、どうする?」


――俺はこう答えた。


「…ははっ、そんなの、決まってるだろ?俺はそんなことが起きたら、確実に『困る』自信があるぜ」



そう、俺は困っていた。

そりゃぁ確かに念願の『プロミネンスソード』が手に入ったよ。

三次元でな!

でも、ゲーム内で欲しかったなぁ!


「――あぁ、なんだ、夢か。そうだ夢か」


机の角に頭を打ち付けてみた。


いたっ。


「……はぁ」


俺は確かに起きていた。

星が綺麗だなぁ。ははっ。


悟りか何かを開いた俺は、ちょっと剣を眺めてみるために、顔を剣に近づけた。

例の剣は、焦げ茶色の革で頑丈そうに作られた鞘に包まれている。

恐る恐る柄を手にとって、鞘に手をかけ、ゆっくりと引きぬいてみた。鞘は案外簡単に抜け、中から深く茜色に光る刀身が出てきた。


『プロミネンスソード』は、その名の通り太陽のプロミネンスの如く炎を纏い、高熱を帯びる上位クラスの宝剣類だ。もともとの攻撃力の高さと、付属した炎属性の高さ故に、この剣を欲する者も多い。俺もそのひとりだ。

そして、惹かれたのは強いだけではない。

片手で使う用の剣らしく、軽めに設計され、両刃で輝く刀身の先端は後半に掛けて急に収縮している。鍔は楕円形の焦げた緋色をしていて、刀身と鍔には、故意に炎を纏わせることができるため、特に鍔は控えめにくっついている。ちなみに今は何も纏っていない。

この剣の面白いところは、剣として接近戦で使用するだけでなく、剣に纏った炎を球状にして炎弾にして、魔法杖のような使い方もできるということだ。

剣を手にとってジロジロ見ていると、急に頭が痛み出した。

その痛みは段々と加速していった。


「――うっ……?何……だ……これ……ッ!」


これは……既視…感…?そんなわけあるか……ッ!


剣を投げ落とし、床にガクンと座り込む。

頭痛。頭痛、頭痛――。鋭い痛みが頭の奥を襲う。


それから数分。やっと痛みが引いてきたところで、ようやく冷静になれることができた。


「なんだったんだ……」


とりあえず状況の整理。一度に色々起こりすぎ。


一に、俺はこのゲームをプレイしていた。

ニに、いきなりテレビ画面が光った。

三、ゲーム内の架空の剣である『プロミネンスソード』が突如テレビから出てきた―――って最後明らかにおかしい!おかしいよ!


「もうわけがわからない……」


もうどうでもいい。どうとでもなれ。どうにかなる。

ほっぽった剣はそのままに、俺はベッドに倒れるようにして寝た。


すぐに眠気はやってきた。

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