【3-1】私はリムだよー♪【GameOver】
久々の投稿♪
――――カッ!!!
覚醒した、意識がっ!!!
こんなに目覚めが良いのはいつ以来だろうか。基本的に低血圧な俺は朝に弱いはずだったが。
時計を見やる。当然4時ではなく、7時あたりを指していた。
「……。」
―――うーん、おかしいな。さっきから、うーん。なんだろうな。
なんか、当たってるんだよね。効果音で表すなら……―――。
むにっ。
これは寝返りを打つべからずな匂いがするぞ。何故だか知らないが俺の本能が直接脳に訴えかけている。
……いや、気のせいかな。そんな二次元チックなことが起こるはずがない……―――。
「―――……。」
顔。顔があった。整った可愛い顔だ。
うん。いい寝顔だ。まるで昨日ゲームから出てきたかのような美少女の寝顔だ。ははっ……―――。
「ってなんでだよ!?何でお前がここに……ハッ」
とっさに嫌な予感が(といっても流石にあり得ないが)よぎった俺は部屋を見回してみた。
安心すべくは、ここが自分の部屋であったことで、問題視すべくは、俺のベッドにリムが横たわっていたことだ。
「ん……なにぃ……うるさいなぁ……、もうちょっと寝かしてくれてもいいじゃない……」
コ、コイツは……!もしリムが美少女でなかったらぶん殴っていたところだ。
―――しかし、もっと恐ろしいことは目前に迫ってきていた。
ドタドタという音がする。段々と近づいてくる。
「リンくんおはよ―――」
「あ」
リムに気を取られていて、衿が玄関を開けたのも階段を駆け登ってくるのも気付かなかった。
いつも通り部屋のドアを突き破った衿は、丁度体を起こしたリムと鉢合わせすることになった。
勿論、俺付き。
「……。」
「……、えっと、なんだろうなぁ、ははっ―――」
『燐夜 GAME OVER』の表示が出た気がした。
修羅と化した衿による制裁を受け、ボロボロになったところでようやく説得に応じた衿に事情を明かした。
「なーんだ、じゃぁこの娘はゲームのキャラクターなんだねっ!それならそうと早く言って……なんてなるわけ無いでしょー!!」
「理不尽だぁああああああああ!!」
その後も十数分ほど追加の制裁を受けた。5回ほど死んだ気がした。
とりあえずリムには家にいるように言っておいた。俺たちには学校があるのだ。
―――――――――――――――――――――
色々考えていたこともあって、授業はほとんど聞いていなかった。
気付けばもう昼休みで、そのまま席を立たんとする俺に漣君が息を切らして寄ってきた。
「ハァハァ、おい燐夜」
「とりあえず息を整えろ。至極キモい」
本気で引いてしまいそうだ。
「キモいってお前……。まぁいい、それより聞いたか?校舎内に現れた謎の美少女の話」
物理的に何メートルか引こうと思った矢先、それどころではない話題が出てきた。
「え……何だそれ」
眉間に皺を寄せる。美少女?この学校には期待できるような女子なんていないはずだったが。
「今日の午前中、授業サボってたやつが見たんだって。見たこともない制服着て学校敷地内を徘徊してるって」
え、それって……?
「リム……?」
「ん?どうかした―――」
漣がそう言い切る前に俺は椅子を蹴っていた。
思考が廻るがままに廊下を駆けた。
今日は一気にいくぜ!