オーメン neo
ボクの名前は
ダミアン・ジョン
アメリカ オハイオ州から
語学留学の為にやって来た。
と言うのは
タテマエで
本当は
サムライになるために
ここ日本へやって来た!!!
スシ・テンプラ
フジヤマ・ゲイシャ・・・
スバラシイ!!!
ニッポン ダイスキ、ナンデス!
住居は大学の寮に入った
狭い部屋を
ある程度片付けると
近所を散策に出掛ける
東京の下町という感じで
とても雰囲気がよく
なかなか良い街だった
少し歩いて行くと
街並みに不似合いな
薄汚れた道場が目に留まった
ボクは引き込まれるように
その道場に近付く
入口には貼紙がされていて
こう書かれている
「あなたも超一流の
侍や忍者にならないか!
門下生募集中!!!」
身体に電流が走る
「こ、これだ!
ボクが探していた
『サムライ』だ!
しかも超一流!
そのうえ、ニンジャにもなれる
なんてスゴイんだ!」
ボクは迷うこと無く
玄関のチャイムを押した
中から出て来たのは
50代前半位の
オッサンだった
入門希望の旨を伝えると
明日から来いと言われた
これでボクは
サムライに一歩近付く事が出来た
サムライに成るための
修行は厳しいものだった
道場の床磨き・窓拭き
洗濯・便所掃除・・・
どれも大変だったが
めげずに頑張った
ある日・・・
前にオッサンいや師匠から
こう言われたことがある
「俺に隙があったら
いつでも打ち込んで来い!」と・・・
今、師匠はダンスゲームに夢中だ
テレビに向かって
思いっきり踊っている!
「今がチャンスだ!」
竹刀を握り締めると
師匠の背後に近付き
師匠めがけ
力一杯、振り下ろす
「バキッ!」
鈍い音がした
竹刀は師匠の脳天を
直撃していた
師匠は烈火のごとく怒り
ゲーム機を投げ付けて来た
その後 大きな、たんこぶが
出来た師匠に
こっぴどくネチネチと説教され
道場の入口にバケツを持って
立たされた
サムライに成るための道は険しい
その日の晩ご飯は
カップ焼きそば だった
仕送りもバイト代も
ほとんど道場の月謝に
消えるので
贅沢は出来ない。
ボクは修行中の身なのだ
これもサムライに成るためだ!
カップ焼きそばは
初めて食べる
「具を入れ
熱湯を注ぎ
3分経ったらお湯を捨てる」
フムフムそうか
簡単!簡単!
ボクは説明書き通りに作る
ジャスト3分!
よし!出来た!
カップ焼きそばの
お湯を流し台に捨てる
次の瞬間
それは起こった・・・
「ボコッ!!!!!」
シンクから
突然音がした!
ボクはビックリして
焼きそばを落としてしまった
今日の晩ご飯の
焼きそばが
シンクに、ぶちまけられている
なんてことだ!!!
ボクは、つぶやく・・・
「Oh~麺が・・・」
Oh~麺
おーめん
オーメン
・・・・・・・
完