表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

突然来た少年とユキノフ

「あ……」

「あ」

シイカは突然現れた少年、というより青年に近い男の子と目があった。その子は最初シイカの顔をびっくりしたように見つめていた。それから、ゆっくりと彼女の隣に寝ていたユキノフに視線を動かす。

ユキノフは体を起こした。真っ白な体毛が見たことがないほど逆立っている。体中から殺気が溢れている。鮮やかな紫の瞳はじっと彼を睨みつける。その瞳孔が針のように細くなり、

「シャアアアアアアアアアアアッ!!!」

ユキノフは凶暴な雄叫びをあげて、目の前の少年に襲いかかった。

「う、うわっ!?」

少年は振り下ろされた鋭い爪をかろうじてかわした。腰からさげた細身の剣を抜き放ち、恐ろしい唸り声をあげるユキノフと向かい合った。

「ちょっ、ちょっと待って!」

シイカは声を上げたが二人の耳には入らない。ユキノフと少年は激しく戦い始めた。ユキノフは爪を振り回し、少年を切り刻もうとする。その表情は怒っているようにも怯えているようにも見えた。

(いやだ!こないで!)

呆然と二人の様子を見ていたシイカの頭の中に、ユキノフの叫びが聞こえてきた。彼は心の底から少年を怖がっていた。

対する少年は、ユキノフの声が全く聞こえないらしい。剣を必死に操り、ユキノフの牙と爪に対抗している。剣と爪がぶつかる音と共に「くそっ、何でこんなヤツが……っ!」という少年の声がシイカの耳に届いた。

ぼーっとしていたシイカは、二人を止めなければ、と思い出した。このままではどちらかが傷ついてしまう。シイカは二人の戦いに巻き込まれないように近づきながら大声で叫んだ。

「待ってよ!止めて!!戦わないで!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ