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目撃 ティファニー
ラルキニアの緑が生い茂る中を歩きながら、ティファニーはため息をつき、ぶつぶつと独り言を漏らしていた。
「ミクトの奴、ホントは嘘だったとか言うんじゃねえだろうな…。何にもいねえし。ホントに化け物なんていんのかね……」
森はいたって静かで、たまに聞こえてくる鳥の声以外何も聞こえない。ところどころに木漏れ日が差し込んでいてとても心地いい。自分がイメージしていた森とは全く違い、あまりにも平和だ。とても人喰いの怪物がいるとは想像できなかった。
ずっと歩きっぱなしで疲れてきた。面倒臭くなってきて、帰ろうかな~なんて考え始めた時。
近くで少女の話す声が聞こえてきた。
「は…?」
ティファニーは耳を疑った。空耳かと思ったが確かに少女が誰かに話しかけている。それにこたえるように、何か獣の唸り声らしきものが聞こえる。
こんなところで何やってんだ?
そう思い、声のする方に向かう。少し行くと突然目の前が開け……
テイファニーは信じられないモノを見てしまった。