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 あの日の爆発事件はテロであった、というのがもっぱらであった。異次元より来た謎の存在には触れられていない。

(・・・・この世界はおかしい)

ナツキはそう思う。世界の修正力。次元を渡る鍵、カイザリオン。鎧神慨装のみが次元を渡れる。それにもかかわらず、何故こんなにもの侵入者がいるのか。ベルナール、ミライ、コウガ。いずれもどのように来たのかは知らない。だが、何かがおかしい。それだけはわかる。

(どういうことなのかな、廻・・・)

己の乗るエクシオン。それも不可解な存在である。ミライはこう言っていた。

(あなたの乗るべき機体を、返すわ)

彼女は預かり物を返すかのように言っていた。

(別の次元、別の世界の私が使っていた?)

そう思えば、納得ができる。しかし。

(わからない・・・)

ふと、窓の外を見る。街は半分近く焼失し、人影も少ない。日本、とは思えない。誰もが考えていなかっただろう。このような世界。

(会いたいよ、廻・・・)

力強く己を抱き締めるナツキ。



 二人は歩いていた。ユグガサ。皇帝器とも呼ばれし、古代ローマの遺産。ユリウス・カエサルにより発見され、オクタヴィアヌスにより使用された。その存在は未知の塊であり、オクタヴィアヌスも知らないことばかりであった。この世界に二人が来た時、ユグガサは自我をもったように走り去った。この世界を壊し、何かを求めるユグガサ。この世界には何があるのか?

「・・・ユグガサを見つけても、どうするか、だな」

廻が言う。頷くオクタヴィアヌス。

「この世界には機動兵器なんてないしな。文明が滅びた世界、だからな」

「・・・・・・なぁ、オクタヴィアヌス」

「あん?」

「俺はこう考えているんだ。ユグガサは恐らく、鎧神慨装だと」

「そんなわけないぜ、廻。あれにそんな力なんて・・・」

「そもそも、あれは誰が作ったのかわからない。一見してみても、似ているんだよ、その外見が。二つは何か関係している。いや、他の鎧神慨装とも、な」

「一体しかいないはずの鎧神慨装・・・お前の説が正しけりゃ何機もウジャウジャシテいるってことだよな」

「・・・始まりはどこなのか、この螺旋の始まりは」


 数日後、廻たちはある一つの遺跡を見つける。それは彼らの世界にあったとある街に似ていた。

「三上崎市・・・!!」

「こりゃ、いったい?」

錆ついていて、風化している箇所もあるが間違いがない。ここは彼の故郷なのだ。

「やはり、関係していたな。ここは、未来の地球、ということだ」

「時間がどうなっているのか、さっぱりだな」

「だが、これも手掛かりだな。さて、どうするかな・・・」

周囲を見渡す。遺跡には何者も居なかった。

『ほう、客が来るのは何年ぶりかな・・・』

響き渡る声。

「何者だ」

廻が聞く。声は笑って言った。

『我が名は夜剣の民の監視者、ムブフ・・・。そなたたちは?』

「ローマの皇帝アウグストス」

「夜剣廻」

『!!』

声が驚きを発する。

『よもや、こうして夜剣の民と会おうとは・・・!』

「夜剣の民?」

『いやはや、我以外は死したものと思っておった・・・』

「・・・詳しく教えてもらう必要があるな」


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