乱入者
「久しぶりね、ミライ」
「リア・・・」
愕然とするミライ。小型のロボットの横をすり抜ける影。それはサイガの機体を掴み、次元の中に去った。
『待ちやがれ!』
コウガの叫び声と共に走り出すカイザリオン。その前に現れるもう一つの影。
「刻の皇帝、鎧神慨装カイザリオン・・・貰い受けるぜっ!」
灰色の岩を思わせる巨人。ロボットとは言い難く、神秘的な何かを感じる。顔には見知らぬ文字の書かれた布が覆われ、二本の角が真っすぐ立っていた。
「リアっ!こいつとまっ白ヤローは俺がやる」
「そう、わかったわ、オクタヴィアヌス」
灰色の巨人がカイザリオンの前に立ちふさがる。
「オクタヴィアヌスって・・・」
廻が何か言いたそうな顔をする。
「僕も、同じことを考えていると思うよ」
ベルナールが言う。
「そちらはもしや、ローマ帝国皇帝アウグストスか?」
白い機体を巨人の前に向け、ベルナールが聞く。
「いかにも!俺こそローマの皇帝にして、アウグストスと呼ばれた男だ!」
オクタヴィアヌスが言う。
「何故ここに居るかはこの際置いておこう。俺の目的はただ一つ。その鎧神慨装を我がローマのために持ち帰ること!」
「めちゃくちゃな・・・」
呆れた廻の声。どこからか剣を取りだし、構える巨人。
「皇帝器ユグガサの剣に勝てるかな?少年」
『ほざいてろ!廻、やるぞ!』
「あぁ!」
刀を構えるカイザリオン。ベルナールの機体もアンカーを構える。
「ローマの覇王をなめるな!」
「一族が滅びてもまだ、使命を果たそうとしているのかしら?」
「一族を捨て、ヴァーウルに加担した者に言われることではない!」
怒れるミライ。余裕の表情のリア。
「いい子ぶって、昔っから気に入らないのよねー」
「・・・・」
「ま、いいわ。相手してあげるわ」
小型のロボットがエクシオンの前に降りる。
「クレオンの前に、塵となるがいい」
「私は、負けない」
エクシオンが翼を広げ、クレオンに向かって飛び出す。
「天征亮・華月夜!」
エクシオンの影より伸びる無数の刃がクレオンを襲う。レイピアを取りだし構えるエクシオン。
「天征亮・舞輪廻」
光り出すレイピアを振り、真空波がクレオンに向かう。無数の刃が貫き、クレオンを束縛し、真空波がその小さな機体を斬る。しかし、すぐにクレオンの機影が消える。
「!!幻?」
「そう」
後ろから突き出る刃。腹部より剣を生やすエクシオン。
「型どおりすぎるのよ、あなた」
剣を振り払い、地上に降りるクレオン。崩れ落ちるエクシオン。
「終わりね」
「うらーーーーーーぁぁぁぁぁあああぁぁ!!!」
「くぅ!」
押されるカイザリオン。ジャッジクロスの援護攻撃もユグガサはいともたやすく回避する。
「これが鎧神慨装の力?笑っちまうぜ!」
飛び上がり距離を置くユグガサ。カイザリオンとジャッジクロスはぼろぼろであり、立つのがやっとであった。
「んじゃ、そろそろキメるぞぉー!アントニウスやコルメキアの魔女、ドラグーンを葬った技だ!光栄に思え!」
剣を大地に突き立てる。地に走る亀裂。雲が空を覆い、雷が鳴り響く。
『気が、一点に集中している・・・!』
「次元も、集束している?」
廻も、コウガも驚いている。ベルナールが苦虫をつぶしたような顔をしていた。
剣の刺さる場所より魔法陣が浮かぶ。
「リア!!特大の行くから回避しろよー!」
「なっ!ちょ、ちょっと・・・」
慌てるリアの声。
「ラ・ヴェテル・エル・マゼル・ディフェンディク・・・・・!イン・ソ・レグド・・・・・!!最終奏、黄昏の刻よ、世界の終末よ!!ラグナレク・・・!!!」
世界に光が満ちる。逃げ場などない。ただ、絶望が心に過る。