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焔(ほむら)の魔人

 黒鳥、アークスタッド。舞い上がる黒き不死鳥が急降下してくる。黒い炎をその身に纏い、四機に襲い来る。

「次転式ギロチン!」

ジャッジクロスから離れた空間より出現した二つの刃が黒鳥を襲う。それを避け、アークセイバーへと肉薄する。

「まずは、コウガ、あなたからです」

嘴が開く。ギチギチと音を立て、牙が現れる。

「黒鳥蹂躙ノ舞」

複数の黒鳥が現れたかのように影が一斉にアークセイバーを襲う。

「くそ、チェンジだ、」

「させません」

変身しようとするアークセイバーの首に撃ちこまれる嘴。

「やられるのを黙ってみていると思ったか?」

廻が接近する。カイザリオンは変身し、高速で黒鳥の影を振り払う。そこにエクシオンの攻撃が加わり影は消え、実体のみが残る。そこに降り注ぐギロチンの刃。

「やはり、四機相手は分が悪いですね」

黒鳥が地に降りる。

「チェンジ、ガリュネス」

大地より黒い何か、いや、気が現れて黒鳥を覆う。膨れ上がる殺気が霊皇界を包む。

「っ、こいつは!!」

コウガの焦った声。何かを言おうとするコウガはしかし、沈黙せざるを得なかった。突如として現れた闇がアークセイバーを斬り倒す。四肢が胴より離れて倒れ伏すアークセイバー。四肢はその闇の中に引き込まれて、同化した。

「おいしく頂きましたよ、コウガ」

 立っているのは全身黒い、まさに鬼のような存在。口は開き、涎を垂らしている。ところどころにあるチューブから、その存在が機械であると認識できる。しかし、口は生物のように動いているし、呼吸をしているように胸が上下し腹が動いている。

「厄介ね」

「そうだね」

「コウガ、無事か?」

「俺は、な」

アークセイバーはもはや立てない。四肢はなく、機体のいたるところが欠損しているのだから。

「次は、誰の機体をいただきましょうね?」

ヒクヒク動く、ガリュネスの口。にやりと笑うように顔が動き、跳ねあがる悪鬼。

 それはカイザリオンに向かう。庇うようにエクシオンが現れて翼でカイザリオンを包み込む。それを薙ぎ払おうとするガリュネスに向かう巨大なアンカー。その後ろよりジャッジクロスが現れて蹴りつけてくる。

「無駄、です」

両腕で二機を弾き飛ばす。圧倒的な力の差、であった。

「・・・気と同化しているから、か」

コウガが呟く。だが、アークセイバーは、もう・・・。

「・・・仕方ない」

突如、燃え上がるアークセイバーに、驚く廻。

「コウガ、何を!?」

「今からアークセイバーと、俺の気をカイザリオンと融合させる」

「どういうことだ?」

「ま、簡単に言えば合体だ。だけど、時間がない。説明はなし、だ。いくぞ、廻!ビビんなよっ!」

炎と化したアークセイバーが不死鳥のように舞いあがり、カイザリオンに入り込む。炎に包み込まれるカイザリオン。

「まさか、自分を同化させるとは…そうまでして、私に勝ちたいのですか、コウガ・・・?」

嗤うサイガ。

「最高です。蹂躙して、嬲り殺して、その願望すら打ち砕いて上げます・・・!」

動けない二機を後目にカイザリオンに向かうガリュネス。

「撃、彩、宋、閃」

繰り出される四度の攻撃。それは炎によって阻まれる。

「何っ?!」

『喰らうかよ!』

四度の攻撃がそのままガリュネスを襲う。

『待たせたな、サイガ。行くぜ!廻。カイザリオン・クロスタードの力を見せてやろうぜ!』

赤い髪を携えた、武者のような魔人が炎より現れる。

「コウガ、いくぞ」

『おう!』

左の腰にある鞘より刀を抜く。光を放つ刃を両手で構える。

『奥儀!』

「炎閃!!」

振るわれた刀より走る七つの風。気を纏い、エネルギー体となって黒い鬼に刻み込まれていく。

「な、に!?」

『まだだぜ!』

接近し、刀を振るう。ガリュネスの右手を切り裂き、左手を切断する。

『うらうらうらうら!』

「調子に、乗るな…!!」

憤怒のサイガ。しかし、止まることのないコウガの攻撃。それはどんどんガリュネスの装甲を斬り刻む。

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

遂にガリュネスの胸を貫く。迸るスパークと気。ガリュネスの胸部より血のようなものが噴き出す。

「お、お、お、お、おおお、お、おぉ・・・・」

貫かれた胸部。そこに倒れこんでいるサイガ。右腕はなく、全身血だらけであった。

「ば、か、な・・・」

『やっと、あんたを倒せる・・・!』

止めとばかりに刀を振り下ろさんとする炎の魔人。

『それは、困ります』

響く女性の声。

『その方にはまだ、死なれては困りますので』

「・・・!この声」

ミライが呟く。

『お久しぶりね、ミライ』

「・・・・・・リア・・・」

 現れたのは、女性のシルエットをした小柄なロボット。

「・・・・・・」

水色の髪の少女がそれに乗っていた。



ジャッジクロス・・・全長12メートル。全身が真っ白で特徴が何もない。人工筋肉の使用により、人間に近い運動性を獲得している。ベルナールの機体だが、入手経路は不明。武器はマッシヴアンカー、次転式ギロチン、直上式ギロチン、ロシアンルーレット、パイル・オブ・パ二ッシュ等。

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