表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の心はおじさんである【書籍漫画発売中!】  作者: 嶋野夕陽
14章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1523/1562

久々の出店

 当たり前のように何事もなく買い出しを終えて、夜には帰ってきたオレークと楽しく食べ物屋さんの話をして就寝。

 その間ずっとレジーナに恨めしそうな目で見られていたハルカは、翌朝もぴったりとくっついてくるレジーナに、一応声をかける。


「あの、別に私が意図してレジーナがいない時に戦いがある場所に行っているわけではないんですよ?」

「分かってる」

「……見張ってても、戦いは湧いてきませんからね?」

「知ってる。いいから出かけろ」


 レジーナとてハルカが意地悪をするとは思っていない。

 ただただ巡り合わせの問題だ。

 それならばずっとくっついて歩いていれば、どうせハルカはトラブル製造機なのだから、何かしらが起こるだろうと判断しただけだ。

 さっさと問題を起こせ、と思いつつ付きまとっているわけである。


 特に出かける予定も決まっていなかったので、さてどうしようかと考えていると、モンタナがふらりと荷物を持って出かけようとしている。

 もしや久しぶりの出店だろうかと思い、ハルカは声をかけてみた。


「開店ですか?」

「そです。行くですか?」


 どうやらこまごまと作っていたものを、自由市へ行って店開きするようだ。

 座っているだけだし、まずまず問題は起こらない用事だ。

 ハルカはチラリとレジーナを見る。


「なんだよ」

「レジーナには退屈かもしれませんけど……」

「いいから行け。あたしのことは気にするな」

「じゃあお言葉に甘えて……」


 どうせレジーナだって何かするあてはないのだ。

 そしてハルカはそんなつもりがなくても問題を起こす。

 これはレジーナにとってはすでに証明されている事実のようなものだった。


「どっか行くの?」


 モンタナの準備を待っていると、レオンが出かける支度を終えて声をかけてくる。

 二人は騎士団の駐屯地の方へ行って、最近の話を聞いてくる予定だ。

 相変わらず〈混沌領〉からの侵略に備えているようだが、まとめ役が神殿騎士第三席である【鉄心】テロドスになってからは、随分と落ち着いている。

 今後の方針などを双子に聞き出してもらえば、多少拠点を留守にしても問題はなくなるだろう。


「ちょっと自由市に行ってのんびりしようかと」

「ふーん、誰と?」

「モンタナと……、レジーナですかね」


 レオンは二人を見てから、すすっとハルカに身を寄せてこっそりと尋ねる。


「……ね、ハルカさん何かレジーナさんを怒らせたの?」

「いや……、一緒にいない間に色々と戦いに関わったら、ちょっとすねてしまっていて……」

「あー……」

「んだ、見てんじゃねぇよ」

「あ、うん、ごめんごめん」


 レオンは両手を前に出しながら、素直に謝ってレジーナから距離をとる。

 昔は尖っていた双子だが、レジーナはそういう尖りとかが通用するタイプではない。おそらく昔の双子に出会っていたら、一切の躊躇なく拳骨くらい落としていたことだろう。

 しかも酷いたんこぶができるレベルの一撃である。

 文明的な育ち方をしてきたレオンであるが、危険なものは察知することができる。

 賢いので、レジーナのようなタイプを刺激することが得策でないことは、理解し、程よい距離感で付き合っている。


「あ、レジーナもでかけんの? 一緒に行く?」


 双子のうちだと、どちらかと言えばテオドラの方がレジーナとの距離は近い方だろうか。あとから現れて、普通にレジーナを外出に誘い出した。

 ハルカとしては一緒にお出かけすること自体は素晴らしいと思うのだが、行く先が問題だ。もしレジーナをブレーキ役もなしに騎士団に連れて行こうものなら、かなりの高確率で大乱闘が発生する。


「いかね」

「ふーん、そっか」


 ハルカの心配もよそに、レジーナはあっさりとテオドラの誘いを断った。

 もし受けていたら、一緒に行きましょうと誘い直していたところだ。


 先に双子が出かけ、続いてモンタナと共にハルカたちが拠点を出る。

 今日もカラッと晴れた良い天気だが、時折吹く風は冷たい。

 もうすぐ冬だ。


 ハルカの知る限り、凶作の噂は聞かない。

 元の世界では飢饉から世の中が荒れていくのはよくある話だった。

 魔物を警戒しなければならないという側面はあるが、気候の面ではこちらの世界の方が随分と恵まれている、とハルカは思う。

 そしてそれらが真竜のお陰なのだとしたら、きっと神様はこの世界と生き物のことが好きなのだろうな、とも思うのである。


 ハルカは、今となってはぼんやりとそんなことを考えながらでも、街を歩くことができるくらい、〈オランズ〉にはすっかり馴染んでいる。

 スリをする者も、わざと肩をぶつけて因縁をつけてくる者もいない。

 逆に言えば昔は普通にいたのだけれど。


 適当にご飯を買ってから、真っすぐに自由市へと向かう。


 到着すると、ハルカたちを見た一部の人がどよめいたが、それもすぐに収まった。

 自由市は、よそから来た商人も多く、ハルカたちをよく知らない者も混ざっているのだ。よそ者が近くにいる者にハルカたちの情報を聞いて、小銭をせびられている姿も見られる。

 何ともたくましい人々である。


 モンタナはできるだけ目立たない奥の方へ行って、ぱっと布を広げると、適当に腰を下ろして商品を並べ始めた。

 日当たり良好。

 ただし賑わいからは少し離れている、のんびりできそうな場所であった。


「開店です」


 モンタナが宣言したところで、ハルカも腰を下ろしてぼんやりと人ごみを眺める。

 ふと振り返ると、レジーナが金棒を肩に担いだまま、ハルカと同じく人ごみの方を見ていた。

 いや、睨んでいた。


「……レジーナも座りませんか?」

「あ? なんでだよ」

「睨んでるとお客さん誰も来ないです」


 モンタナが体を反らして言うと、レジーナは舌打ちを一つだけしてどっかりと地面に腰を下ろした。相変わらず眉間に皺は寄っていたが、立ったまま睨みを利かせているよりは多少ましである。


「長丁場ですからのんびりしましょう」


 レジーナからの返事はなかったが、胡坐をかいて頬杖を突いたところを見ると、一応ハルカの意見には同意したようであった。

今日はPASHUPNEOで漫画の更新日!

あとなんか、ニコニコで18話くらいまで無料で見れる奴やっていたような気がします!


クリスマス小説書いてるだけで終わったので、応援と励ましにポイントとかくれても良き良きよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
今回は何か起こるんだろうなって謎の確信があるww
街の英雄のリーダーが受け子(違)してるのと なんか怖そうなお姉さんが威圧してくるのと どっちが効果あるのか楽しみですね 果たしてお客さんは近寄れるのでしょうか
レジーナの物理的な威圧+ハルカおじの権威的な威圧 …お客さん来れるのかなぁ…w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ