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JK四天王のゆるふわ学園生活  作者: 伝説の貧乏小僧
第1章 入学式〜スプリングセミナーまで
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第9話 スプリングセミナー編一日目②

 雑談をしながらのんびりと歩き、チカとレイナは二十〜三十分かけて高校にたどり着いた。

 

「確か集合場所は駐車場だったっけ?」


「そうですね、駐車場に行ってみましょう!」


 二人が駐車場に行くとそこには五台のバスが停車していた。一年生のA組〜E組までの五クラス分のバスである。

 二人はA組の乗る一号車を見つけると、トランクにスーツケースを預け車内へと入っていった。


 バスの座席は一昨日の総合の時間に決めていて、チカとレイナは隣に座ることになっていた。

 

「チカ、レイナ、おはよう!」


 チカとレイナが座席に座ると、前の席に座っていたユリが振り返って二人に挨拶をした。

 

「ユリちゃん、おはようございます!」


「おはよん、ユリ! あれ、リョウコは寝てるの?」


 リョウコは頭をユリの肩に乗せ、いびきをかいてぐっすりと眠っている。


「皆と一緒にスプセミに行くのが楽しみ過ぎて、昨日全然寝られなかったらしいわ。寝不足みたいだからゆっくり眠らせてあげましょ」


「なんだかリョウコちゃん、子どもみたいでかわいいですね!」


 そんな話をしているとバスの中に、担任の織田が入ってきて、マイクを手に取った。

 

「皆さん揃ったようなのでそろそろ出発しま〜す! シートベルトをしっかりと着用してくださいね〜」

 

 それからしばらくするとエンジンがかかり、バスの車内がブルブルと振動を始めた。


「ん〜むにゃむにゃ……あれ、もう出発するの?」


「あ! リョウコちゃんおはようございます!」


「ん、おはよう」


 エンジンの音と振動でリョウコも目を覚ました。


「いよいよ旅が始まりますよ〜。それでは出発進行〜!」


 織田の元気の良い掛け声と同時にバスは学校の駐車場から出発した。ホテルまでの少し長いバス旅がここに始まった。  





  


「今回宿泊するのは長野県のホテルでしたよね。長野って何があるのでしょうか?」


 バスが発車してから数分経過した頃、チカは皆に話を振った。


「ん〜とね、長野には国際信州学院大学があるよん。私の志望大学なんだ! そこで教授をしているコサックダンス吉村先生は私の尊敬する人物のうちの一人なんだ〜」


 チカの問いかけにレイナは胸を張って自信満々に答えた。


「もう志望校が決まってるなんてすごいですねレイナちゃん! でもそういう大学とかじゃなくて、長野県の特色とかそういうのを知りたいのですが……」


 するとユリが待ってましたと言わんばかりのドヤ顔で振り向いた。


「今回泊まるホテルは諏訪湖の近くのホテルよ。毎年夏には日本最大級の盛大な花火大会が行なわれるそうよ! 後、長野県はぶどうやりんごなどの果物で有名ね!」


「ユリちゃん、とっても詳しいですね。さすが優等生です!」


「たまたま知ってただけよ! 別にチカのため事前に色々と調べてきたとかじゃないからね!」


「私のためにわざわざ調べてくれたんですか? ありがとうございます!」


「だから違うって〜! チカのおバカ!」


 ユリは褒められてたくて説明したはずなのに、いざ褒められると顔を真っ赤にして照れるというなかなか扱いが難しい少女のようだ。


「長野と言えば真田信繁じゃないかな。真田家の領地は、諏訪湖からそこそこ近いはずだよ」


「さなだ……って何ですか?」


「僕の好きな戦国武将だよ。赤い鎧を身にまとい六文銭の旗を掲げて戦うんだ! 真田幸村って言った方がわかりやすいかな?」


 リョウコはいきいきとした表情で熱く語った。


「リョウコちゃん、物知りなんですね!」


「昔からリョウコは勉強は全然できないけど、自分の熱中したものはとことん突き詰める性格なのよね」


「ふふっ……戦国時代にはロマンがあって良いよ!」


 そんな会話をしているうちにバスは高速道路に乗った。






 高速道路に入ってから一時間近く経過した。

 始めの方は四人で色々な話をして盛り上がっていたが、一時間も経てば話題が尽きていた。


「ねぇ、何かして遊ぼ! ねぇ遊ぼ!」


 どんなに進んでも同じような景色しか見えない高速道路に飽きたのか、レイナは手足をバタバタさせて遊ぶことをせがんだ。


「こら! 子どもじゃないんだから大人しくしなさいよ!」


 レイナはユリに叱られて手足の動きを止めたが、よほど退屈なのか不満そうに唇を尖らせている。

 

「じゃあ皆でゲームでもやろうか。ワードウルフって言うんだけど」


 リョウコはポケットからスマホを取り出し、アプリを起動させた。


「ワードウルフってどんなゲームなんですか?」


「お題が出されてそれについて皆でそれについて話し合うんだけど、一人だけ別のお題の人がいるんだ。その別のお題を話している一人を見つけるゲームだよ!」


「へ〜面白そうだねぇ、やってみたいよん!」


 退屈で退屈で仕方がなかったレイナはリョウコのワードウルフをしようという提案に食いついた。


「じゃあ始めるね。僕のスマホの画面にそれぞれのお題が表示されるから、皆で順番で回してね!」


 リョウコはスマホの画面を見て自分のお題を確認すると、次はユリにスマホを渡す。その後、チカとレイナにもスマホが渡り、全員がお題を確認してワードウルフがスタートした。

 




次回はワードウルフ会です

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― 新着の感想 ―
[良い点] 雰囲気が楽しそうで良い。 [気になる点] せっかく面白いのですから、サブタイトルをつけると良いんじゃないでしょうか。 [一言] 雰囲気が楽しそうなので、ついつい続きが気になり読んでしまう話…
2021/12/01 19:09 退会済み
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