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JK四天王のゆるふわ学園生活  作者: 伝説の貧乏小僧
第3章 一学期後半
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第80話 楽しい?スポッチャ

「今日も練習お疲れ様でした〜。体育祭まで一週間を切りました。この調子で頑張りましょう! それではさようなら〜!」


「ユリー!」


 帰りのホームルームが終わると同時にリョウコはユリの席にロケットのように飛び込んだ。


「きゃあー!? いきなり何なのよ!」


「今日は部活が休みなんだ! ユリはこの後空いてる?」


「空いてるけど、どうかしたの?」


「体育祭に備えて特別特訓をするよ!」


「特別特訓? 嫌よ! どうして放課後まで運動をしなくちゃいけないの?」


「今回の体育祭、僕はB組にどうしても勝ちたいんだ」


「それはわかってるわよ」


「ユリ、君は自分の身体能力が壊滅的なことは自覚してるね?」


「間違ってはいないけど、そこまでストレートに言うことないじゃない……」


「僕やレイナがどれだけ頑張ったとしてもそれを覆すだけの可能性を君は秘めている。だから勝つためには君の身体能力を向上させることが不可欠なんだよ!」


「わかったわよ……」


「チカ、レイナ!」


「ひいっ!?」


「せっかくだから君達も参加してもらうよ!」


 巻き込まれないように気配を消して教室から逃げ出そうとしていた二人だったが、リョウコの鋭い第六感を誤魔化すことはできなかった。


「上手く逃げられると思ったのになあ……」


「しかし君達を捕まえたのは良いもののどんな特訓をしようかな?」


「もしかして何も決めてないの!? あなたって本当に計画性が無いわね……」


「それなら私に良い考えがあるんです!」


「ほほう。聞かせてもらおうか」


「坂の下にあるスポッチャに行ってみませんか? 私ずっと気になってたんです!」


「あー、ラウンドツーのこと? あそこは遊ぶための施設で特訓には……」


「良いわね! そこにしましょう!」


「賛成ー!」


「ええ……体育祭前に遊んでいる余裕は……」


「楽しく遊びながら体を鍛えるのもたまには良いと思いませんか?」


「う〜ん、仕方ないなあ……」


 三人のゴリ押しによって放課後はスポッチャに行くことが決まった。












「着きました! でっかいボウリングのピンのオブジェがある建物!」


 チカは初めてスポッチャにやって来て、興奮してしまい飛び跳ねている。


「向かいにあるお城みたいな建物はなんでしょうか? とっても幻想的です!」


「あー、あれはラブ……ふがふがふがふが……」


 何か言いかけたリョウコの口をユリが慌てて塞いだ。


「変なことを言わないで! チカには純粋なままでいてほしいの!」


 そうは言うものの、既にお笑い番組の下ネタで爆笑するくらいには毒されている。


「ごめんごめん。とりあえず中に入ろう!」


 四人はカウンターで受付を済ませるとスポッチャの中に入る。まず最初に目に飛び込んできたのが謎の牛だ。


「この牛さんは何に使うんですか?」


「とりあえず乗ってごらん。このヘルメットを忘れずにね」


 リョウコに言われるがままヘルメットを装着し、牛にまたがった。


「そのボタンを押してみて!」


「はい!」


 チカは牛の背中についている赤いボタンを押した。するとものすごい勢いで牛が回転し始める。


「きゃぁ〜!」


 回転を続けるうちにスピードはどんどん速くなっていき、チカは牛から振り落とされてしまった。


「何ですか、これは!」


「ロデオマシーンだよ。回転しまくって楽しいでしょ?」


「確かにスリルがあって面白いですね。少し痛かったですが」


「私も乗る!」


 ロデオマシーンにレイナがまたがりボタンを押す。ボタンを深く押し込み続け、フルスピードで回転する。


「ひゃっほーう! 超楽しい!」


「レイナちゃんすごいスピードですね! そんなに回転して酔ったりしないですか?」


「言われてみれば、ちょっと気持ち悪いかも……」


「大変! 早く止めてください!」


「止め方がわからないよん! どうすれば良いの〜?」


「ボタンを離せば止まるよ!」


 リョウコが解決法を教えるも時すでに遅し。力尽きたレイナはロデオから振り落とされてしまった。


「レイナちゃん大丈夫ですか?」


「な、なんとか大丈夫……うぐっ……」


「ロデオマシーンは危ないから違うところに行こうか」


「そうしましょう!」

 

 しばらく歩き続けると大きな広場に出た。


「ここは何をする場所なんですか?」


「インラインスケートだよ。あそこに置いてあるタイヤ付きの靴を履いて滑るんだよ」


「面白そうですね。皆でやりましょう!」


「私は遠慮しておくわ」


「そんなこと言わずにユリちゃんもやりましょうよ!」


「そうだよ。そもそも今日はユリの体力アップのために来てるんだからね!」


「インラインスケートが体力アップに繋がるとは思えないんだけど」


「良いからやる!」


「はいはい……」


 ユリは文句を言いながらもスケート靴を履いた。

 プロテクターやヘルメットなどをしっかりと装着し、四人はリンクに入った。


「レイナ、どっちが速いか競争しよう!」


「良いよ! チカ、スタートの合図を頼めるかい?」


「わかりました! レディ〜、ゴー!」

 

 チカのかけ声と共に二人は勢いよくスタートした。二人ともまるでアスリートのように猛スピードで滑っている。


「私の方が速い〜!」


「いや、僕の方が速い!」


 二人の競い合う姿を微笑ましく見守りながら、チカもゆっくりと滑り始めた。インラインスケートをやるのは初めてだが、軽やかに滑ることができている。


「チカ、待って〜!」


 ユリはへっぴり腰になってその場から動けないでいる。チカはくるりと反転し、ユリの方へ向かう。


「どうしました?」


「転びそうで怖いの! 助けて!」


「プロテクターしてるから転んでも痛くないですよ」


「転ぶこと自体が嫌なの!」


 ユリは持ち前の臆病さを発揮しポロポロと涙を流す。


「じゃあ私と一緒に行きましょう!」


「本当? 助かるわ!」


「敢えて何も考えないようにすると上手くいくかもしれません」


 チカは自分の右手を差し出しユリの左手を掴む。するとユリは緊張して体温が上昇し、脳の回線がショートしてしまった。その結果、何も考えない状態になりチカの言った通り上手く滑れるようになった。


「ちゃんと滑れてますよ! もう一人でも大丈夫そうですかね?」


 チカがパッと手を離すが、ユリはバランスを崩すことなく滑り続けられている。


「ユリちゃん、やりましたね!」


「……」


「ユリちゃん!? もしかして気を失ったまま滑っているのですか!?」


 無意識のままずんずん進んでいくユリの背中をチカは必死に追いかけた。




ラウワンの近くに必ずラブホがあるのって何でなんでしょうね

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