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JK四天王のゆるふわ学園生活  作者: 伝説の貧乏小僧
第1章 入学式〜スプリングセミナーまで
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第6話 出会い

 弁当を食べ終えるとチカとレイナの二人は教室に戻り、席に座った。

 それから少ししてから昼休みの終了を知らせるチャイムが鳴り、それとほぼ同時に教室の扉が開いた。

 中に入ってきたのはA組の担任の織田だ。


「五時間目の授業は総合で〜す! それじゃあ号令お願いします!」


「起立、礼!」


 日直の生徒が号令をかけ、五時間目の授業が始まった。

 

「今日の総合では、今週行われるスプリングセミナーについての話をしま〜す! 皆さんにとっては初めての学校行事になりますね」


 スプリングセミナーというのはチカ達の通っている高校の学校行事の一つである。一年生の生徒全員でホテルに二泊三日で宿泊し、その間ずっと勉強をし続けるという地獄のような行事だ。

 生徒達の間では略して「スプセミ」と呼ばれている。

 新入生に勉強の習慣をつけさせるためにおこなわれる一種の洗礼のようなものだ。


「まずは四人一組の部屋割を決めましょう。くじ引きで決めるので、出席番号順にくじを引きにきてくださいね〜」


 一年A組の人数は四十人ちょうどなので合計十グループ作られることになる。

 

 出席番号一番のチカは最初にくじを引きにいった。織田が持っているカップの中から割り箸を一つ選び、くじを引いた。

 割り箸の先っぽには「5」と書かれていた。チカは五班に振り分けられたのだ。


(五班ですか……レイナちゃんと同じグループになれると良いのですが……)


 チカは両手を合わせてひたすらお祈りをする。


 チカがくじ引きを終えると他の生徒達も次々とくじを引いていき、しばらくして全員の生徒がくじ引きを終えた。


「くじ引き全員終わりましたね〜? それでは班ごとに集まってもらってもいいですか〜?」


 織田が指示を出すと生徒達は班ごとに集合し始めると、レイナがチカの方へと歩いてきた。


「私は五班だったよん! チカは〜?」


「私も五班です!」


「本当!? スプセミの間、一緒に過ごせるんだね。うれしいなぁ!」


 チカとレイナは喜びのあまりお互いに強く抱きあった。


「あのーイチャついてるところ悪いんだけど、君達は五班の子達かな?」

 

 チカとレイナに話かけてきたのは白髪のショートカットの少女だ。

 その隣には濃いめの青髪で背中が隠れる程のサラサラしたロングヘアーの少女が立っている。


 チカとレイナは慌てて抱きあっていた手を離した。

 

「そ、そうです。あなた達も五班ですか?」


「そうだよ、よろしくね!」


 答えたのは白髪の少女だ。

 彼女の声はとても明るく活気に満ちあふれているような感じがした。


「それでは全ての班が集合できたようなので、まずは自己紹介をしてくださ〜い!名前と出身校などについて話すと良いと思いま〜す」


 五班の自己紹介タイムが始まった。


「私は明智千花って言います。この辺に引っ越して来たばかりで友達が少ないので仲良くしてくれると嬉しいです。よろしくお願いします!」


「私は丹羽怜奈! 地元の中学校の出身だよん。これから一年間よろしくね!」


 チカとレイナが自己紹介を終えると、続いて白髪の少女が自己紹介を始めた。


「僕の名前は柴田(しばた)涼子(りょうこ)。隣の市の中学校出身で毎朝電車で通学してるよ。どうぞよろしくね!」


「すごい! ボクっ娘って初めて見ました!これは感動です!」


 リョウコの自己紹介を聞いてチカは興奮を隠せない様子だった。


 そして最後に青髪の少女が自己紹介を始めた。


「私の名前は滝川(たきがわ)由利(ゆり)よ。リョウコとは幼稚園の頃からの幼なじみなの。スプセミ皆で楽しみましょ!」


 五班のメンバーは全員、軽い自己紹介を終えた。他の班はまだ自己紹介を続けている様子なので、少し時間が余ってしまったようだ。


「ねぇ丹羽さん、明智さん」

 

「どうしたのリョウコ? 私の事はレイナでいいよ!」


「私もチカでいいですよ。私もリョウコちゃんって呼ばせて欲しいので」


「じゃあチカ、レイナ」


 リョウコは改めて二人の名前を呼ぶと話を続けた。   


「入学式の時に体育館から引きずり出されてお説教されてたのって君達だよね?」


 静かな入学式の中でおしゃべりをしてお説教を食らったら目立つのは当然である。

 入学式の時、周りにいた生徒達は皆、武田に引きずり出されていく二人に注目していたのだ。


「うん、そうだよん!」


「だよね〜! 何というか君達は変わってるね。キャラが濃いよ!」


 ボクっ娘というとてつもなく濃いキャラを持つ自分の事は棚にあげてリョウコは言った。


「変わっててすみません、自覚はあるのですが……やっぱり変わり者は嫌いですよね?」


 チカは少し目に涙を浮かべながら不安そうな表情で聞いた。


「別にそういう訳じゃないよ。僕は中学の頃、ユリみたいな優等生の友達しかいなかったから、高校では少し変わった子と友達になりたいと思ってたんだ!」

 

「本当ですか? そう言ってもらえて安心しました!」


 チカは暗い表情から一転して、あかるい笑顔になった。


「ちょっとリョウコ! 別に私は優等生じゃないわよ!」


「そんなこと無いよ。ユリは成績が学年でトップクラスだったし、僕がこの高校に合格できたのだってユリが勉強を教えてくれたからだよ」


 ベタ褒めされたユリは少しずつ顔が赤くなっていった。


「もーっ、リョウコったら〜! そんなに褒められたって全然嬉しくないんだからね!」


「ユリちゃんはツンデレなんですか?」  


「ツンデレじゃないわよ!」


 そんな雑談をしているうちに全ての班が自己紹介を終えたようだ。


「自己紹介が終わったようなので次に進みますよ〜」


 自己紹介タイムが終わると織田はスプリングセミナーのしおりを配り始めた。


「それではまずはスケジュールを確認します。しおりの三ページを開いてください」


 チカは言われた通りにしおりを開くと驚愕した。スケジュール表のほとんどが勉強時間で埋まっていたのだ。

 特に真ん中の二日目は一日中ほとんどが勉強時間で、合計で十時間近く勉強するという超ハードスケジュールだ。


(想像しただけでめまいがします……)


 それからスプリングセミナーの注意事項を聞いたり、バスの座席決めをしたりして五時間目の授業は終了した。


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