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JK四天王のゆるふわ学園生活  作者: 伝説の貧乏小僧
第2章 仮入部〜ゴールデンウイーク
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第46話 お泊り会編⑧ ジェットバスの神秘

この回には実在の楽曲の歌詞が登場します。


法律で定められた引用の条件を満たすため、引用した部分を『』で囲み、後書きに楽曲名と作詞作曲者名を明記します。

「あー、極楽だよん! 疲れているところをピンポイントで刺激してくれて最高!」


「あんっ……そこっ……気持ち良い……もっとぉ♡」


「ちょっとリョウコ、変な声出さないでちょうだい! エッチ過ぎて聞いてられないから!」


 レイナとリョウコがジェットバスを楽しんでいるのを、ユリは浴槽の外から眺めている。


「本当に気持ち良くて声を抑えられないんだよ。ユリもそんなところから見てないで、こっちにおいでよ!」


 リョウコは隣の空いているジェットバスを指さした。


「嫌よ絶対! ジェットバスは嫌いなの。スプセミの時にすごく痛い目にあったわ」


「僕も昔はジェットバスなんて痛いだけの物だと思ってたよ。だけどね、全身が疲れてる時に入るとすごく気持ちいいんだ。ユリは最近、ずっと家で勉強してたんでしょ? 机にずっと座ってると体に負荷がかかるらしいよ。だからジェットバスでリフレッシュしてみようよ!」


「そこまで言うなら入るわよ……」


 熱い勧誘の甲斐あって、ユリはジェットバスの浴槽に足を入れるとゆっくりと腰を下ろした。


「あー、痛い痛い痛い痛い! もう無理!」


「もうちょっと! もうちょっとだけ入ってて!」


「やめて! 離して!」


 逃げようとするユリの体をリョウコはがっちりと押さえつけている。


「落ち着いて、ユリ! ほら目を閉じて深呼吸してごらん」


「スーーーーッ! ハァーーーーーーッ!」


「良いよその調子! 深呼吸を続けて」


「スーハー! スーハー! スーハー! スーハー!」


「どう?」


「あれ? 何だか気持ちいい気がしてきたわ……」


「でしょ? ユリの体が疲れてる証拠だよ」


 先ほどまで苦痛に満ちていたユリの表情はうっとりとしたものに変わっていた。


「あっ……すごい……気持ちいい……最高♡」 


「ちょっと、ユリもすごいエッチな声出してるじゃん!」


「えっ!? 自分じゃ気がつかなかったわ……ジェットバスって本当に疲労に効くのね」


「痛いからって毛嫌いする人多いんだけど、ずーっと浸かってるとだんだん心地よくなってくるんだよね」


「なんだか新しい扉を開いてしまった気がするわ……」


 ユリは顔に複雑そうな表情を浮かべた。


「ユリにもジェットバスの素晴らしさを分かってもらえて良かったよん! そろそろサウナに行ってみないかい?」


「そうね、せっかく別料金を払ったんだしぜひ行きましょう!」


「待つんだ。その前に水をガブ飲みするよ。サウナを舐めてると脱水症状で死ぬからね」


「ああ、そうだったわね」


 三人は両脇の手すりを掴んで立ち上がると、浴室の隅にある給水機に向かった。


「ぷは~! お風呂で温まった後に飲む水は超美味しいね!」


「ちょっとレイナ、そろそろ代わりなさいよ」


「まだ一リットルくらいしか飲んでないよん!」


「そんなに飲んだらお腹たぷたぷになるでしょ! もう終わりにしときなさい」


「は〜い」


 三人は順番に水分補給を終え、水風呂の隣にある扉を開けた。目の前に広がるサウナ室は五人も入れば満員になるほど、狭いものだった。

 狭いサウナ室のベンチに体を密着させそうになりながら、三人で座った。


「うひぃ、暑いねぇー!」


「このジリジリと蒸し焼きにされる感じ、小籠包の気持ちになれて最高だよん!」


「小籠包の気持ちって何よ、意味不明だわ」


「考えるな感じろ」


「ますます意味不明よ!」


 壁にかけられた温度計は百度近くをさしている。小さなサウナでも、その暑さは本物だ。


「なんかさ、こういう狭い部屋のベンチに座ってるとカラオケボックスを思い出さないかい?」


「あー、なんとなく分かる気がするわ」


「という訳で歌うよん!」


「どういう訳よ!」


「お二人とも、手拍子をお願いするよん」


「ラジャー!」


「仕方ないわね……」


 レイナは口元にあてた握り拳をマイクに見立てて、歌い始めた。


『私のお墓の前で 泣かないでください そこに私はいません 眠ってなんかいません』※


「微妙に古い選曲をするわね……」


「昔、流行ってたよね。僕はこの歌好きだよ」


 リョウコはリズムに乗って手を叩きながら歌を聞いている。


「手拍子で盛り上げるような曲じゃないでしょ、これ!」


「そう? テンション上がって良いと思うけど」


『千の風に 千の風になって』※


「ほら、ここのサビのところ! すっごく盛り上がっるでしょ?」


「あなたとは感性が合わないわね……」


『あの大きな空を 吹きわたっています』※


 レイナは元気な声でサビを歌い上げた。


「それじゃあ二番いくよん!」


「やったー!」


「もう良いわよ!」


『秋には光になって 畑にふりそそぐ』※


 レイナが二番を歌い始めたと同時に、サウナの扉が勢いよく開かれた。


「すいません、外まで聞こえてますよ。少し静かにしてもらってもいいですか?」


 中に入ってきた女性に注意され、レイナは歌うのをピタリとやめた。


「すんまそん……って武田っち!?」


「え、丹羽さん!? 柴田さんに滝川さんまで!」


「こんばんは」


 リョウコとユリは武田にペコリと頭を下げて挨拶した。


「人の迷惑になりますから、公共の場で熱唱してはいけません! あなたは学校以外の場所でも私を怒らせるんですか?」


「本当に反省してるよん。それにしてもこんなところで会うなんて奇遇だねぇ。武田っちもよくここに来るの?」


「今回が始めてです。トモミ……じゃなかった、織田先生に良い銭湯があると紹介されたので来てみたんです。本当は一緒に行きたかったのですが、ゴールデンウィーク中の予定が合わなくて……」


「そうなんだね。どう? ここ気に入った?」


「ええ、とても良い銭湯だと思います」


「そんじゃあさ、武田っちも常連になっちゃいなよ。時々、私と二人っきりで一緒に来ようぜ!」


「え!? な、何を言ってるんですか?」


「女同士で裸の付き合いだよん!」


「は、裸の付き合い!? なんて破廉恥な!」


 武田は顔を真っ赤にしながら、腕をクロスさせるようにして自分の体を隠した。


「げへへ……良いではないか〜、良いではないか〜!」 


 レイナはベンチから立ち上がると、武田に一歩一歩ゆっくりとにじり寄っていく。そして武田の体に向かって両手を伸ばした。


「ちょっと、触らないでください! 本気で怒りますよ!」


 そんな静止も聞かず、レイナはその手を止めない。


「きゃぁぁーー!」


「あれ? 武田っち、公共の場でうるさくしても良いんだっけ?」


「良い加減にしなさい!」


 強めのお叱りを受けたレイナは反省したのか、大人しくベンチへと戻っていった。


「他人の体をむやみに触ってはいけません! たとえ女同士であっても犯罪になるんですよ! あなたはいつもいつも……」


 武田はいつもの調子でレイナにくどくどと、お説教をしている。


「んー、武田っちの言いたいことはだいたいわかったよん。それよりずっと立ってて辛くないの? こっちにおいでよ」


 レイナは自分の隣のスペースを手のひらでとんとん叩いて、武田に座るように促した。


「本当にわかったんですね? じゃあお隣失礼します」


 武田はレイナの隣まで移動してベンチに腰を下ろした。


「あっつぅ!」


「サウナで背もたれによりかかるとすごく背中が熱くなるよん」

 

「それを早く言ってください!」


 武田は涙目になりながら背中をさすっている。


「普通分かるでしょ」


「サウナあんまり来ないから分からないんですよ!」


「まあドンマイドンマイ! そういえばさ、武田っちと織田っちって仲良いんだね」


「え?」


「だって下の名前で呼び合ってるんでしょ? それに予定が合えば一緒に銭湯行こうとしてたみたいだし」


「トモミ……織田先生とは高校一年生の時に出会って仲良くなりました。私が教師を目指した理由の一つがあの子と一緒に働くことだったんです。もちろん、それ以外にも教育への情熱とか色々ありますけど」


「武田っちと織田っちっの昔の話を聞いてみたい!」 


「そんな話すことなんてありませんよ」


「えー、お願いお願い!」


 レイナは武田の両肩を掴んでグラグラ揺らす。


「ちょっとやめてください! さっき夕飯食べたばかりだから、揺らすと色々出てきちゃいます!」


「お願いだよ〜!」


「仕方ないですね……少しだけですよ」


「やった〜!」


 武田は自分と織田の過去を語り始めた。




楽曲名:千の風になって

作詞:新井満(訳詞)

作曲:新井満


昔、流行っていた曲ですね。私が小さな頃、よく聞いていたので今でも心に残っています。

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