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JK四天王のゆるふわ学園生活  作者: 伝説の貧乏小僧
第2章 仮入部〜ゴールデンウイーク
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第42話 お泊り会編④ 夕飯の準備

「そういえば、もう日が沈みかけてるわね」 


 ユリは窓の外を眺めながら言った。

 時計の針は、午後五時を指している。


「ゲームをやってると、ついつい時間を忘れちゃうよね。お腹が空いてきたからそろそろ夕飯を食べたいな」


 リョウコは今にもお腹が鳴りそうなようで、腹部に手をあてている。

 

「私も夕飯にしたいわ。レイナ、夕飯はどうするの?」


「近くにコンビニがあるけど、それで夕飯を済ませちゃうのも味気無いよね。せっかくだから皆で何か作ろうよん!」


「良いわね! それでメニューは何にするのかしら?」


「う〜ん……料理下手のリョウコにも作れる簡単な物がいいよねぇ」


 ユリとレイナは腕を組んで、深く考え込む。


「二人とも今日、僕に対して失礼な言動が多くない!?」


「だって料理下手なのは事実だから仕方ないでしょ」


「ぐぬぬ……」


 リョウコは悔しそうに歯を噛みしめる。


「あ、良いこと思いついたよん!」


 レイナが突然、手を叩いてパチンと音を鳴らした。


「タコパしようよん! たこ焼きパーティー! たこ焼きならそんなに難しい料理じゃないからリョウコでもできるはず!」


「良いね、タコパ! 僕も一回やってみたかったんだ!」


「タコパ!? 駄目よ、絶対!」


 ユリが鬼のような形相で二人を睨みつけた。


「ユリ? いきなりどうしたんだい?」


「タコパなんていうのは、DQNの集団が大音量で歌って踊ったりしながらたこ焼きを作るという恐ろしい催しなのよ!」


 ユリは親の仇のようにDQNを毛嫌いしているようだ。


「いや、ただ楽しくたこ焼きを食べるだけだよん」


「いいえ、違うわ! タコパのたこ焼きにはコカインやヘロインなどの違法薬物が混入しているのよ。そんなDQNの遊びをするのは断じて許さないから!」


 ユリの頭の中ではタコパはヤクザや半グレ集団の会合のような物になっているようだ。


「偏見が酷過ぎる! 普通に考えて違法薬物なんて使う訳ないでしょ。ユリって普段は優等生なのに、たまに僕達以上に馬鹿になるよね」


「実際にやってみればきっと楽しいよん! ほら、完全に真っ暗になっちゃう前に早く買い出しに行こう!」


 レイナは抵抗するユリの腕を引っ張り、強引に外に連れ出した。











 レイナの家から十分程歩き、スーパーマーケットにたどり着いた。


「じゃあたこ焼きの材料を探すよん! 皆、好きな具を見つけたら自分のかごの中に入れてね!」


 レイナは人数分の買い物かごを用意し、各々に配った。


「たこ焼きってたこ以外にも何か入れる物あるの?」


「ふっふっふっ……ユリよ、たこ焼きの具がたこだけの時代はもうとっくに終わったのだ! 今時は明太子とか、たこ焼きに合いそうな食材は何でも投入するのだよん!」


「あー、確かに明太子はたこ焼きとマッチしそうね!」


「それじゃあ具材集めにレッツゴー!」


 レイナがそう言うと、三人はそれぞれ別の方向に向けて歩き出した。


(まずは明太子、あとはキムチなんかも美味しそうね。でも辛い物ばかりになっちゃうわね……そうだ、チーズも買いましょ!)


 ユリはたこ焼きに入れると美味しくなりそうな食材を的確に選び、かごの中に入れている。タコパの経験が無くても、家庭科の成績は良い方なので料理の出来は期待できそうだ。


(あれ? あそこにいるのはリョウコじゃない! どんな物を選ぶのかこっそり見てみましょ)


 ユリは気づかれないように忍び足でリョウコの背後に近づいた。

 リョウコは何か粉末の入った袋のような物を手に取り、悩んでいる様子だ。


「せっかくだから買っちゃおう! きっとたこ焼きに入れたら美味しいよね!」


 リョウコ迷いを捨てさった澄んだ瞳で、袋をかごの中に運ぼうとする。しかし、その腕を突然つかまれたことで妨害されてしまった。


「駄目よ、リョウコ! 早まらないで!」


「ユリ!? いきなりどうしたの? 僕の邪魔しないでよ!」


「まず、あなたの手に持ってるそれは何か説明してもらおうかしら」


 ユリは腹を立てた様子で腕を組んでいる。


「見ればわかるでしょ? プロテインだよ!」


「たこ焼きにプロテインって何考えてるのよ!」


「筋肉をつけるために決まってるでしょ。ユリもプロテインを摂取して強い肉体を作ろうよ!」 


 リョウコは腕に力こぶを作り、見せつけた。 


「馬鹿じゃないの!? それにそのプロテイン粉末、ココア味じゃない! そんなもの入れたら、たこ焼きが不味くなるわ!」


「ココア味のプロテインは何にでも合うんだよ。ご飯にかけて食べても美味しいよ!」


「それを本気で言ってるなら、あなた味覚障害よ。とにかく、プロテインは禁止だから!」

 

 そう言うと、勢いよくリョウコからプロテインを奪い取り棚に戻した。

 

 それからしばらく、各々好みの食材を常識の範囲内で探し続けた。


「皆、そろそろお会計するよん!」


 レイナが手をメガホンの形にして大声叫んだ。それを聞いたユリとリョウコが、彼女のもとに駆け寄ってくる。


「あんまり店の中でうるさくしちゃ駄目よ!」


「ごめん、ごめん。あのさ、買った食材はタコパまで秘密にしないかい? 食べてからのお楽しみって感じにしたいんだよん」


「リョウコが変な物を入れないかとてつもなく心配なんだけど」


「プロテインとかは入れないから大丈夫だよ。信用して!」


「それじゃあレジに向かうよん!」


 三人はそれぞれ別のレジに並び、会計をした。



 


 


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