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6.

 **********


 そして、今日はライラと私の合同婚約式。



 今回が " 婚約式 " なのは、ライラの相手が “ 隣国の王子 ” だから。

 さすがに、王子の結婚式ともなると、彼の国でやらないわけにはいかなくて……ライラが " 隣国に嫁ぐ " 側だしね。

 だから、『婚約式だけでもライラの祖国で』を取り付けたのは我が国の国王陛下。でも実際は、交渉するように陛下に " お話 " したのは王妃様で、その(そば)にはいつもの女性3人が居たんだと思うけどね。

 そう、ライラは、ラウル殿下ではなく、隣国のカイル殿下との婚約を " 望んだ " 。これも、約束の『1ヶ月』で起きた『予想外』の1つ。




 ライラのお母様姉妹(公爵夫人と侯爵夫人)と私の母は親友なので、3人で盛り上がって合同婚約式に決めて、当然のように王妃様を巻き込んで味方につけて……そんな彼女達を伴侶たちは誰も止められなかったらしい。

王妃様を巻き込んでと言ったけど、巻き込まないと『仲間外れにした』と怒られるらしいので、巻き込んでも問題にはならなかったり……。

ライラのお母様と私の母は『ウチの()が結婚できるなんて!それも恋愛結婚なんて夢のよう』と大はしゃぎ、王妃様とライル様のお母様は『逆に男どもは情けないわね。』と苦笑。(なぐさ)めも(はげ)ましもせず苦笑だけで済ませてしまうんだから、強いというか何というか……。



 ちなみに、私たちがプロポーズされてから今日まで、なんと3カ月。 " 婚約式 " だからこその短期間だけど、王侯貴族のトップ女性4人が揃ってたから何とでもできた、らしい。


「(カイル殿下が)帰国してる間に、どちらかの状況が変わって結婚できなくなるとイヤだから」


 そう言って、まずカイル殿下とライラが最短を望んだ。


 そして、私とレイド様については、『婚約なら成人は関係無い』というレイド様の主張と、前述の母親4人による『合同で』という意見とで決まった。


「ライル兄様との噂も有ったし、他の男性たちが動く前に貴女を捕まえておきたいんです。」


 とレイド様から言われた時は照れたわ。

 でも、私だって、約1年後には成人ということでレイド様を狙う貴族が多いのがわかってたから、早めに婚約だけでもしておきたかった。

ついでに、ライルの絡みや王宮の噂や好奇の目から解放されたかったというのも、無くはなかったり……。

私たちの結婚式が済むまでのレイド様の領地での仕事のライル様による代行になったんだけど、王都での準備が多いからだと思ってたらライラから思わぬ言葉が……。


「(レイド様と私が)一緒に居る時間およびライルとの物理的な距離の確保を母親たちが考えた」


 というのが、ライラの推測らしい。それを聞いて私は微妙な表情になってたんでしょうね。『(ライラ)から見て、ライルはかなり本気で貴女を口説く気だった』と聞かされ……それに私が驚いたら彼女から呆れられたわね。



 私が嫁ぐのはレイド様だから滅多に王都にも社交界にも出ない。レイド様の仕事は領地と国立図書館の管理と文化の保護と教育の普及だからね。おかげで、ライル様を狙う令嬢やその親族からは祝福してもらえてるけど、一部の人はね、年増だの年下趣味だの青田買いだの……。当然ながら、三男とはいえ公爵家の持つ伯爵位を譲り受けることも領地も決まってるレイド様を狙ってた人たちからすると、私は彼を横から(さら)ったトンビなんだとか……。




 婚約式が全て終わって解放されるまで、王族としても親族としても出席しないわけにはいかなかったラウル殿下とライル様は表面を取り(つくろ)うのに必死だったみたい。

それでも、私たちに二組(ふたくみ)に祝福の言葉をくれたから……。ありがとう。

 残酷かもしれないし、偉そうに聞こえるかもしれないけれど……貴方たちにも素敵な出会いが有りますように。

その出会いが、できれば、ライラや私の結婚式までに訪れますように……。

 みんなで心から笑い合える日が来ることを待ってるから……。




 ということで、レイド様と私は、1年後の結婚式に向けて準備が本格的に始まります。

同時に、半年後のカイル殿下とライラの結婚式に出席する準備もしなくちゃだし、大忙しです。


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