1の4 客人
やぁ諸君、僕だよ、緋烙だよ!
あの狐面事件(?)から早くも1年が経ち、相変わらず狐面は取れないけど、僕も5歳になった。
普通の子供なら幼稚園に行ってる年齢だ。
僕は行けないし行かないけど。
それは兎も角、この1年で屋敷はとても過ごしやすくなった。ナイトメアも、過ごしやすいからと屋敷に居着いている。たまに悪夢を見せようとしてくるのがウザいけど、勿論僕は魔法抵抗している。
ああそうだ。屋敷の魔改造中に気付いたんだが、僕のステータスは前世のに今世のが上乗せされている状態だ。正直いってめっちゃ楽。強くてニューゲームってこういう事なんだな。
「ねぇヒラク、なんでボクの夢を見てくれないの?」
「君は悪夢を見せて引き込む系の悪魔でしょう。
何処の誰が自分から罠にかかりに行くんですか」
「え~、一回だけ、一回だけでいいから~!」
「いや、その一回でアウトなんですよ」
そんな風にナイトメアの相手をしていると塀の周り2メートルくらいの広さに張った結界に反応があった。
「ナイトメア、どうやら客人が来たようです」
「え、お客さん?どうして?1年前ヒラクがエグいくらいの幻惑魔術を森にかけてなかったっけ?」
「さぁ、僕にも分かりません。あと魔術じゃなくて魔法です」
兎も角、初めての客人を饗さないと。