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1の1 転生かも
………!……ォギャー………オギャー!!
煩い、頭に響く。泣き叫んでいるのは誰だろう。
アイツ等がかけられた呪いに気付いたんだろうか。
目も見えないし、死にかけているのだろうか。いや、でも俺には死んだ記憶がある。
じゃあ、この状況は何だ?
「旦那様!お産まれになりました!!」
「おお、そうか」
産まれた?誰の子だろうか。
ん?おおっ!?ちょ、持ち上げるな!高いだろう!
……この看護婦さん(仮)、身長でかすぎないか?
「性別は………女の子、で…す………」
あれー?もしかして転生?
て言うか性別が分かった途端声が小さくなったぞ?
性別が女だと駄目だった感じ?
それより……めっっちゃ眠い。もう無理、寝るわ。
「この子……名前………緋烙…する」
そんな断片的な言葉だけが聞こえる中、俺はこの身体で初めて眠りに落ちた。