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だぶるすたんだ~ど  作者: Than Nen
出会い
6/18

何も知らない事が幸せだと思えた

『いらっしゃいませー!!』



100万ルドの笑顔でお迎え。


それが喫茶【ジョージ】の精神。


…なんだよ、喫茶ジョージって。間違いなくリーゼントなおっさんがいるイメージじゃねえか。




『おいフウガ、コーヒーとミックスサンド2番に運んでくれ』


『イエス、ボス』




ロードさんに無理矢理働かせれて3日が過ぎた。


最初はコーヒー代だけのつもりだったらしいが、事情を説明すると、暖かい布団が完備された部屋を提供してくれた。


見た目はアレだけどすっごい良い人。


そのお礼に俺は顔の筋肉が吊りそうになりながら、一生懸命笑顔を作っている。


…ってか、ロードさん笑ってないじゃん。


俺だけすっごい笑顔とかなんかおかしくね??もう激おこぷんぷん丸だよね。




『コーヒーとミックスサンドお待たせしましたー!!ニコっ!!』


『おいフウガ、会計頼む!!』


『イエス、ボス!!ニコっ!!』




この店はなかなか繁盛している。


それはコーヒーの美味さもあるが、昔ながらの喫茶店って感じで、誰からも親しまれているのが要因だろう。


老若男女、様々な世代が来店する。


皆、この店が好きなんだな…。




『よしフウガ。休憩にしよう』


『…ふう。疲れた。今日も大盛況だったね!!』


『なーに、これでも少ないほうじゃ』


『あっ…そうなんだ…』




おいおい、これで少ないとか冗談だろ。


軽く行列できてたぜ。




『そういえばさ、この店ってこんな忙しいのにロードさんしかいないの??』


『ああ…少し前までは娘が手伝ってくれていたんだがな…最近はなにやら忙しいみたいでな。わし一人で切り盛りしとる』


『…え!?ロードさん娘さんいるの!!??』




マジかよ。娘がいるとか。


このおっさんの遺伝子を受け継いだとか、生まれながらにバッドエンド確定じゃねえか!!


やっぱり悪魔みたいな顔してるのかな…。




『ちょうどお前と同じぐらいの歳かな。女房が早く亡くなってな。わしが一人で育ててきた自慢の娘じゃ』


『そうなんだ…奥さん死んじゃったんだ…』


『ああ、でも最後には笑っとったわい。娘もわしに似て立派に育ったしの』


『ロードさんに似たの??それって…いや、なんでもないです』


『あ!?何か言いたげじゃな!?』


『あ…いえ、何も…』




ついうっかり口を滑らすところだった…。


けど、やっぱり似てるんだ。


娘さん、強く生きろよ!!陰ながら応援してるぜ!!




なんて事を思ってると、カランコロンと入り口の鈴がなった。




『いらっしゃいませー!!サンコっ!!』




…!?


ニコっと言うつもりがついサンコっと言ってしまうぐらい、店に入ってきた女性は美人だった。


例えるなら隣の家のお姉さんと同じぐらいに美人。


(ちなに俺ランキングでは隣のお姉さんが宇宙で一番可愛い)




『…誰だこの豚野郎は??』


『…へ!?』


『おうミカ、帰ってきたか』


『ミカ…さん…??』


『ミカはわしの娘じゃよ』




ああ…なるほどね…


似たって、そっちね…。なるほどね…。


気づかなかった私は豚野郎です…

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