序章-前編-
数秒前の出来事だ…。
目の前にはっきりと浮かんでいた、未来。
…正確に言えば未来であろう、世界。
……もっと噛み砕いて言えば、未来の世界の、俺。
………更に言えば未来の世界の俺の…
-死-
冗談じゃない、夢か幻かはたまたドッキリか…。
…ただ、いつもと何か感覚が違うのよね…。
うーん…
ってか、俺…
宙に浮いてね!?
いや、そうだよ、たしかに頭は悪いよ。
うん。
だけどさ、宙に浮くことなんて、聞いたことないよ!?
教科書にも載ってなかったし、となりの家の綺麗なお姉さんも『私、宙に浮けますよ♪』なんて顔してないし、そもそもあれだ…
ここどこだよ!?
いやいや、ちょっと待って。
見たことない草とか生えてるんですけどマジでー。
チョベリバだよチョベリバ。
うん。
チョベリバ通り越してベリチョバだよね。うん。
ってなんだよベリチョバって!?
今ならあれだよ、龍が関係する玉7個集めることができそうだよ。
うん。
んでさ、願うのはただ一つだよ。
もちろん…
-となりの家の綺麗なお姉さんのアドレス教えてください!!-
なんて、俺は馬鹿か!!
何トリップしちゃってんのよ。うん。
とりあえず状況を一旦整理しよう。
まず、俺は浮いている。
正解だ。
そして、ここは何処か分からない、そもそも日本ではない。
たぶん正解。
んで…目の前には凶暴そうな、動物!?がいる…。
大正解♪
…あれ!?詰んだ!?
人生詰んだ!?俺の玉は逃げ切れない感じ!?
王手って言うんだよね。チェックメイトかな!?
…あぁ、目の前の凶暴そうな動物!?が口開けてこっちに来るよ…。
食べられて終わりかな。東野カナ。
会いたいよ、会いたいよ、震えているよ。
…まぁ、俺自身が震えているんだけどね。
出来れば会いたくなかったな。
とりあえず、最後に祈るか。
-神様、出来れば天国でよろしこ-