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欲望のままに  作者: メルメア
1/2

消えた記憶

<注意項目>

・本作には残酷な描写、過激な描写が含まれております。

・批判中傷コメントは受け付けておりません。

・二次掲載等はご遠慮ください。

嗚呼、なんと言うことだろう……。

私は罪を犯しました……とても許しがたい罪を犯しました。

いつになっても許されることではありません。

とても後悔しています、自分の愚かさに……。


人には欲と言うものが存在する。

利欲、性欲、睡眠欲、食欲……。

それは一定の出来事があると、なくなるのである。

利欲ならば儲けを、性欲ならば交わりを、睡眠欲ならば睡眠を、食欲ならば食事を。

人間はそれをもって生きていかねばならないのだ。

辛くとも悲しくともなくてはならないのだ。

そう、それがあるかぎり、自分は人間とゆう証拠なのだから……。




気がつくと赤だった、一面の赤。

目の前に広がる色と光景はとても悲惨なものだった。

独り暮らしと思われる小さな部屋。

原型のとどまらぬ、元は人間だったはずの肉片。

その場にいるのが耐え難い異臭。

鉄のような臭い、威圧感、早まる鼓動。

目が覚める前は楽しい一時を過ごしていたはずだったのに……、いったい何があったのだろうかと考えては、しゃがみこんだ。

これは自分がやったのだろうか、はたまた自分は何かの事件に巻き込まれたのか……。

記憶のない時間が謎に包まれたまま再び立ち上がると、頭に衝撃が走った。

ズキッと痛んだ頭を抱え込むと何かを思い出す感覚を覚えた。

何かあったような……、だがそれが思い出せない……、とても大切なことだったはずなのに忘れてしまっている感覚……。

涙は零れるのに何故かはわからなかった。

どうして忘れてしまったのだろう。

とても大切な記憶、自分が一番に思っていた何かの存在……。


「そうか……」

彼女だ、彼女がいないのだ。

自分が一番に大切にしていた筈の女性。

笑顔が素敵で可憐なあの人がいないのだ……。


記憶は消えているはずなのに何故か分かっていた。

彼女が今どうしているか……。

普通ならわかるはずもない、だが私にはわかってしまったのだ……この異臭は血と肉の塊は紛れもなく、彼女のものなのだだと。

そしてきっとこれは私がやったのだろうと……。

続きは順次掲載していきます。

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