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そのさん-自覚

それからというもの、私は何かと涼に悪戯というか罠というか、

仕掛けるようになった。


ポーカーフェイスを崩そうキャンペーンである。

しかし毎日仕掛けていると、さすがに鈍感な涼でもバレてしまう。


さりげなさを装うのは意外と大変だった。

さりげなく激辛おにぎりを食べさせてみたり、

涼のズボンに熱いお茶こぼしてみたり。

−酷いことばっかりだけど−


でも涼はやっぱ無表情のままだった。



どうすれば変わるかなー。


教室で頬杖をつきながら頭の中でぐるぐると作戦を練っていると、親友が前の席に座り

「ねぇっ!

昨日あいつがさー」

と、ニヤニヤしながら惚気話をしてきた。

こいつには中学からの彼氏がいて、今もラブラブな関係を保っている。


うん。すごいと思う。


楽しそうな親友ののろけを話半分に聞いていたが

「・・でさー私から抱き着いたらすんごい焦っててさ、かわいかったー。」


・・ん?焦った?


私は焦ると聞いて、涼の赤面した日のことを思い返した。


そうか、涼でもそういうことがあると焦るのか・・。

じゃぁ私が抱き着いたら・・。

えっ!?

抱き着くっ!!?

何を考えてるんだ私はっ。


頭をぶんぶん振ってリセットしようとした。

ふーっと息を吐くと、親友が不思議そうな顔をしていた、

「どうかした?」

「いや、どうしたじゃないでしょ。あんたこそどうしたの。」

「え?」

「何でそんな顔赤いのょ。」

「えぇっ!?赤くなってるっ?」

「なってるなってる」


どうしてだ・・私は別に涼のことしか考えては・・

「あ、もっと赤くなった。」

「っ!?」

ま、まさか・・


私が大変なことになっているというのに、神様は気を効かせてはくれない。

次の授業の鐘がなってしまった。

「げっ。次渡邊せんせーじゃん。じゃっ、その赤面の原因は後でねっ。」親友はささっと自分の席へ戻ってしまった。


原因を知りたいのは私の方だっ。。

そう悪態をついたが、ともかく今は顔をどうにかしなければ・・。


私は不自然に思われないよーにそっと顔をノートで仰いだ。



-2時間後

いつものように涼は座っていて、私は寝転がっていた。

否、いつも通りではなかった。


どうしたんだ私・・


さっきから涼の顔がまともに見れない。

入ってきた時も思わず目をそらしてしまった。

今もまだ一言話してない。

「・・どうした?」

涼が空を見たまま聞いてきた。


うっ・・やっぱり気付いてるか・・。

そりゃそうだよな、こんな態度に出てたら。


「べっ別になんでもないよ?」

「・・嘘だろ。・・なんでこっち見ないんだ。」

どうしたいいんだ。

訳なんて話せるはずがない。


返事に困っていると、涼が静かに言った。

「俺が、嫌なのか。」

「え、別にそうじゃなくて・・」

「じゃぁ。なんで何も言わないんだ?」

「それは・・。」

言い淀んでいると

「そうか・・」

涼は寂しそうな声を出して、止める間もなく出ていってしまった。


大きな喪失感が、私に覆いかかった。


その日から、涼は昼に屋上へ全く来なくなった。

パタンと、それまでの日常が閉じてしまった。


家に帰りベッドの上でごろごろしていると、涙が出て来た。


涼に、嫌われた。

その事実が予想以上にショックだった。

なんでこんなことに・・。

いつもの屋上が懐かしい。涼のカメラのシャッター音が懐かしい。

大して時は経ってないのに・・


-翌日、私は親友に相談した。

いままで涼のことは特に必要もなかったので言わなかったが、このままでは何も解決しない。

早く、涼に会いたい。


すると親友はあっさりその答えを出した。

「-それって、好きなんじゃん。」

思わず初めは耳を疑った。

私が、涼を好き?


でもよくよく考えてみればそれは当たり前過ぎて、逆に自分がなんで分からなかったのか理解出来なかった。

「仕方ないょ。きっとそんなの初めてだったんだろーね。特にあんたそこらへんの思考回路ダメそうだし。」

ほくそ笑みながらも、親友は答えを出してくれた。

「で、どうすればいいか・・。涼は私のこと嫌いだし・・。」

「ぃゃぃゃ、言ってみなきゃ分かんないもんだよ。」

「何を?」

親友はにやけながら小声で言った。

「好きだって。」


私は一気に真っ赤になった。


こんなんで私は大丈夫かっ!?



to be こんてぃにゅーw

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