第24話(第一部完結) ゴミ箱の神々と、魔王軍の終焉
王都の正門が魔王軍幹部の放った極大魔法で消し飛んだ。正規騎士団は壊滅。英雄リヒターも満身創痍。王都中が「終わった」と絶望に染まったその時、戦場の裏側――ゴミ処理場から、異様なプレッシャーが立ち上った。
「……一気にいくぞ。石30,000個、全弾投入だ」
俺は震える指で、空中に出現させた『召喚(神託)』の全開放ボタンを叩きつけた。一度に百回分の光の奔流が、泥にまみれた湿地帯を白銀に変える。
「……ひひ、来ましたね。これだけの『質量』があれば、私の等価交換も完成を迎える」
光の中から現れたのは、かつて俺が率いた最強部隊の残影――ではなく、膨大な「ハズレの鉄屑」と「呪われた消費アイテム」の山。だが、これこそが俺の求めた『高密度ジャンク』だ。
【 100連召喚:完了 】 【 獲得アイテムを全て『右腕』の補強触媒に使用 】 【 マリアンヌ:形態『スクラップ・ゴッデス』へ一時昇格 】
「……マスター。心臓のオーバーヒートを確認。……でも、今の私なら、あいつらを『処理』できます」
マリアンヌの右腕が、数千個のハズレ装備を飲み込み、巨大な城壁ほどもある質量兵器へと変貌した。
「な、なんだあの禍々しい集団は……!? 魔王軍の新手か!?」 逃げ惑う騎士たちが悲鳴を上げる。レベル1の死に損ない、氷の死神、毒を撒く怪人、そして鉄屑の女神。
「……リヒター。そこをどけ。……主役の出番は終わりだ」
俺は、這いつくばるリヒターの横を無造作に通り抜けた。目の前には、勝ち誇る魔王軍の幹部三名。
「人間風情が、ゴミを連れて何をしに――」
「ファウスト、やれ」
俺が命じた瞬間、ファウストが「SSR:魂の天秤」を叩き割った。ガチャ100連分の『ハズレの怨念』が、幹部たちの魔力を強制的に経験値ポーションへと変換し、その場で蒸発させる。
「が、あ、あああ!? 私の魔力が、ただの『リソース』に変えられていく……!?」
「……マスター。……お掃除の時間です」
マリアンヌの鉄の右腕が空を裂いた。物理法則を無視した一撃が、幹部たちの肉体を、王都を襲った絶望ごと粉砕する。逃げ場はない。俺が周囲の地形判定をバグらせ、彼らの『退路』を消去していた。
【 指揮官:Lv.1(固定) 】 【 称号:ゴミの王(魔王軍幹部を屠りし者) 】
王都を救ったのは、華やかな英雄ではない。名前すら知られない、最弱の指揮官と「廃棄物」たちだった。
「……マリアンヌ、お疲れ。……少しは、休めるな」
俺は崩れ落ちそうになるマリアンヌの肩を支えた。王都の民が遠巻きに俺たちを見ている。それは賞賛ではなく、異様な力への「恐怖」だ。
「……行こう。俺たちの居場所は、ここじゃない。……魔王の首を獲って、このクソッタレな世界の『ルール』を書き換えるまではな」
俺たちは、歓喜に沸く王都に背を向け、再び地下の闇へと消えていった。 石は使い果たした。だが、手元には幹部から奪った『魔王城の座標』と、極限状態で絆を深めた仲間たちがいる。
これが、俺たちの戦い方の『仕様』だ。
(第一部・完。第二部:魔王城攻略編へ続く)




