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第79話

 回復魔法を掛けた後、ひとまず俺のベッドでガランスを休ませると、俺とウェリカは戸惑いながらもガランスと魂壊竜にブーゲンビリアの研究所まで行って「魔物化現象」の真相を知りたいという旨の事を隠さずに話した。隠したところで他にどうにかする当ても無かったし、曲がりなりにも以前助けてもらった恩もあったからだ。


「なるほど……そういう話……だったんだね……」

「そも、人間が魔物に変わり果てるなど普通はありえん。どこかの人間が何らかの意図を持って発現させたと考えるのがむしろ自然だろうな」

「……ブーゲンビリアでもあったよね。人間が魔物になって街中で暴れてって事件」

「あの時はいきなりエボニーに『世界を救え』と言われて強引に鎮圧に駆り出されて大変だったぞ」

「彼は元気?」

「元気どころか不老不死に片足突っ込んでるぞ」

「すごいね……」


 話を聞き終えると、二人はそんなやり取りをし始めた。エボニーが誰なのか何なのかはさっぱりわからないが、少なくとも似たような事はブーゲンビリアでも起こっていたようだった。


「ならば行くとしようか。魔法生物学研究所とやらに」

「さっきも言ったけどすぐには行けないぞ。授業とかもあるし」

「授業か……そうか……ここは学校か……」


 魂壊竜が銀色の瞳をきらりと輝かせながら、真正面から俺を見てくる。


「何だよ」

「貴様は教師なのだろう?」

「ああ」

「自らの学級を持つ担任教師なのだろう?」

「だから何だよ」


 こいつは一体何が言いたいんだ。と思っていたら、魂壊竜は俺にびしっと指をさした。小さくて白い、幼い子どもの手だった。


「貴様、名前は何という?」

「……アルドリノール」


 そういやこいつの名前って何なんだろうか。魂壊竜は、種族名と言うか、通称っぽいし。もっとちゃんとした名前らしい名前も持っているのかな――


「ならばアルドリノールよ。ブーゲンビリアへと行く日まで、我を生徒にしろ!」

「はあああああああああああああああああああああああああああ!!!?!?!?!?」


 俺の心の叫びを、ウェリカが声に出して代弁してくれた。

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