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第3話

「それじゃ、詳細について話すわね」


 ライラは休憩時間が終わり受付に戻ると、手早く求人を紙に書き写して俺に手渡してきた。きたのはいいんだけど。


「これは……」


 相変わらず字が汚いな! ちっとも読めないっ! 抜け毛の模写か! と声を大にして言いたいところではあるものの言ったら確実にキレるので黙っておく。


「見ての通り、ノコエンシス女子魔法学校で来月新しく作られる予定のクラスの担任になってくれる教員を募集しているわ」


 なるほど。言われてみればそういう事が書いているように見えなくもないと思ったがやっぱり気のせいだった。それはそれとして。

 

「来月に新しく? 別に新年度って訳でもないよな?」

「そのことなのだけどね……今年の新入生の中で数人、能力が明らかに規格外すぎる子たちがいたみたいなの」

「規格外? なんだそりゃ」

「私も詳しくは聞かされていないのだけれど、とにかく今まで類を見ない子たちらしいわ」

「類を見ない……」

「その子たちの為に、急遽新しくクラスを作るみたいよ」

「なるほどね」


 おおかた、優秀な生徒を集めたエリートクラスってところか。今まで誰かに何かを教えた経験も子どもの世話もろくにしたことが無いから、仮に教師になったところでやっていけるのかと少しばかり不安だったが、わざわざそれくらいの事をさせられる程優れた生徒が相手なら俺でもどうにかやっていけそうだ。


「一度見学して正式に受けるかどうか決めるって事も出来るみたいだから、そうしてみる?」

「そうだな」


 俺はライラの問いに特に何も考えずそう答えた。


 この時は、まさか待っていたのが優秀を通り越して最早何と形容すればいいのか全くわからない生徒であったとは想像だにしていなかったのだった。

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