第一話 仕事が雑
初投稿です。
俺の名前は鈴木 総司、大学生さ。通学に夢中だった俺は青信号を渡り…猛スピードで突っ込んでくるトラックに気づかなかった!俺はそのトラックに体を撥ねられ、目が覚めると体が小学生になっているなんてこともなく、ひっそりと息を引き取った。
「どうして…どうして信号確認をしないのですか?」
俺は死んだ。最後までネットミームが抜けきれない人生だった。
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「……ください。」
「……きてください。」
声が聞こえる。
お…これは…もしかすると、もしかするかもしれませんよ?
生き延びた!!!!やったぞ!!!!あそこから巻き返せるのか!
最期の記憶だと広中/総司みたいになってたけど、スゲーな現代医療!
目を開けると、そこは白く、白く、どこまでも白い空間。
周りを見渡しても、白くないものは自分だけだった。
「…ダメっぽいですね…。」
現代医療の敗北であった。
しかし、天国の実在は確認できたのだ。プラマイゼロ、いやプラスの方が上回っているか?
そしてさっきの声は天使か何か?天使の実在も確認できるとかもう完全にプラスじゃん…
「起きましたね。」目視確認もできてしまった。
白いメイド服を着た、羽を生やした女性だ。
その女性は白く 美しく 絶対的な物として俺の目に映った。
「…意識はしっかりしていますか?大丈夫ですか?」
目を奪われていると、声を掛けられてしまった。やっぱ天使は違うな。
心まで美しいとかすごいなーあこがれちゃうな―と慄いていると天使様(仮)は首をかしげながらこちらに近づいてくる。メイド服への違和感はこの際置いておくとして、挨拶は基本。
返答をしなければ不作法というもの…
「こんn「おりゃっ」
その右ストレートはおれの頭に吸い付くようにヒットした。
ふーん、H(ard)じゃん。天使じゃねえわ。天使が放っていい右ストレートじゃねえよ。
今俺どうなってんの?なんか突き刺さっている感覚あるんですけど?
「アッ…アッ…」みたいな声しか出せねえよ。
「うーん、この神具壊れてる?説明書だとこれで…魂ちゃんと付随してなかったのかな…あっこれ起きてる…」
意識は暗転した。
目を開けると、そこは白く、白く、どこまでも白い空間。
さっき見た光景だ。
「起きてください…起きてください…」
Take2であった。
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・・・・・
「初めまして私は女神ホワイト。残念ながらあなたは死んでしまいました。ですがある条件を吞んでもらえれば、記憶を持ったまま、あなたの世界とは別の世界で人生をやり直すことが出来ます。どうしますか?」
凄いな…これが神ってやつなのか。何事もなかったように話を進行させてきやがる…
だが…話自体は自分にとっても有益だ。ネットで見た異世界転生。まさか自分が体験することになるとはな…テンション上がってきた(震え声)
「初めましてホワイト様。前向きに検討したいのですが…その条件とは一体?」
「はっきりしない返事ですね…まあいいでしょう。その条件とは、転生する先の世界における邪神を滅ぼしてもらう事です。」
???????なにいってんだこいつ
「邪神…?私が倒す?女神さまが直接対処する事は出来ないのですか?というよりも、私には到底できるとは…」
「私が直接出向いて戦った場合、世界自体が負荷に耐え切れずに崩壊する可能性があるのです。それでは意味がありません…それと、あなたをこのまま送り出すわけではありません。
スキルを与えるのです。」
なるほど…わからん。しかし理由はあるわけか。崩壊とか物騒だな?
だが、やはりただ送り出されるわけではない。
インドア派の自分が、邪神とかいう明らかにやばそうな相手に立ち向かうには正直一つや二つ、チートがなければどうしようもないのは明らか。さもなければ翌日そこらの隅っこで俺の死体が冷たくなって発見されるだけというのは俺でも予想できるからだ。
なぜ俺が選ばれたのかはともかく、きっと強力なスキルをもらえるんだろうなぁ…
「それでスキルとは?」
「『掃除』です」
いい感じの隅っこを探し始めることにした。
「ちょっと待ってください!スキル名だけだと役に立たなそうな感じがプンプンするんですけど!?」
「それより!行くんですか?行かないんですか?あんまりもたもたしてると魂が輪廻転生の輪に還って存在が消失しますよ?」
「それよりで流せることですそれ!?というか消失とか何それ怖い!」
どうやら実質的に選択肢は無いらしく、覚悟を決めて行くしかないようだ…
消失とか怖すぎだろ!というか仕切り直しとかしなければ時間に余裕があったのでは…?
「分かりました!行きます!行かせていただきます!
「ありがとうございます。説明する時間もないので、これより転送を行います。あなたが邪神を倒せることを祈っています。」
白い光に体が包まれ、意識が暗転する…
「あっ」
「何!?今の「あっ」は何なの!?不安になるんですけd
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目を開けると、そこは緑と、緑と、茶色の空間。
周りを見渡しても、人類は自分だけだった。
「仕事が雑ゥ!!!!!」
森なのであった。
書いた後に「掃除 スキル」で検索してみると思ったより先駆者がいてビビりました。