第5話『ありがとう、そして……ごめんなさい』
「やっぱり……そんな顔するのね」
「ごめん」
「……」
「色々なものが綯い交ぜになってるの」
「だけど……だけどこれだけは言う」
「今よりもっと幸せにする、なろう、なるから」
「それはあたしもだよ」
「いや、皆だね」
「うん」
「ねえ」
「何?」
「どうやって来るの?」
「考えてないかな」
「私達の時は捧げたから、終わった瞬間こうなってたけど」
「花はどうするの?」
「まあ、その時考えるよ」
「どうやったってきつそう」
「普通はそうじゃないかな」
ま、楽に行けるとは思わないけどね。
今更だもの。
「終わり! どうするー?」
「いつもながら考えてないかな」
「じゃあ引き篭るー?」
「それも良いね」
味気無く感じるのは気の所為かな?
「味気無いー?」
「……」
「バレバレー」
いつもそう。
皆には何も隠せない。
ま、良いけどね。
「それとも出てみるー?」
「流石に厳しいんじゃないかな?」
「その為にあの服があるじゃーん」
「じゃあそもそも何処へ行くの」
「海ー?」
「歩いて?」
「いやいや便利なのがあるじゃーん」
うん、だよね。
でもまあ、行けない距離じゃあないけどね。
「で、何するの」
そんなこんなで着いたから聞いた。
そもそも行ってどうするの、と。
「何もー?」
「だろうね」
だって見事に人様が居ないもの。
「あの時以来だねー」
「……」
「何も感じなかったなー」
「本当に?」
「終わった後すぐは色々思う事あったよー」
「だけどその時は、そんな事よりもだったからねー」
「あたしは……うん」
「何か無駄だった気がしてならないんだけど」
「かもしれないねー」
「ま、幸せならいいじゃーん」
そんな軽い感じで良いのかな。
……良いんだろうな。
じゃなきゃ、今頃、ね。
「皆は?」
「今日も出掛けているよー」
「元気ね」
「この身体だからねー」
慣れるまでは大変だった、みたいだ、だろう、そんな色々な感じだった。
まあ、今は……うん。
「あの時以来ね」
「そうだな」
「にしても、無茶苦茶だったと思うわ」
「そうね。もう、何よりもだったの」
「勢いだったな」
「うん。その後すぐは色々綯い交ぜになったけどね」
「それはボクもだ」
「あの時の事は考えたら駄目ね」
「あれで良かった、にしないと終わるな」
「ま、幸せだから良いんじゃないかしら」
「そうね」
「じゃあ、行くか」
「あ、ちなみに同じだからー」
「そうなの?」
「わざと選んだー」
「そっかそっか」
「行く?」
「後でね」
んーでも、今行っても良いかも?
どうしようかなあ。
「やっぱり任せるよ」
「じゃあ行こっかー」
結局行くのねって言われそうだなあ。
まあ、いっか。
「砂浜に足跡が付くのいいよね」
「だねー」
「1人分なのが寂しいけど」
「そこは、ほら、仕方ないさー」
「あ、でもー皆と逢えたら2人分になるじゃーん」
「向きが違うでしょ」
「それもそっかー」
にしても、広いなあこの砂浜。
あ、見えた。
「どうしたの、ゆあちゃん」
「折角同じ場所に来ているから、逢いたいなって」
「そう……よかったの?」
「いいのいいのー」
「だからこのまま、皆で歩こうよー」
久しぶりだなあ、こうして皆と一緒に歩くの。
そして、お外に居ること。
本当に久しぶりで幸せ。
だけど、悲しくもあって。
「何があっても、何か起きたりしないさー」
「いつまでも、愛してるぞ」
「だから笑って、ゆあちゃん」
「うん……ありがとう」
だけども、ごめんね。
「この様子だと、あっさりと終わったようね」
「Fleurと話したりして、そして……」
「……」
……。
「2人共何暗い顔してるのー」
「こっちおいで」
「そうだぞ」
「行こうか、Fleur」
「ええ、どこまでも」




