第2話『出来なくても大丈夫』
「向こうに見えてるか分からないけど……」
「ふるーるちゃん目立つものね」
「手を振ってあげたいけど……」
「大丈夫だよ」
「うん――あ、気付いたかな?」
「ただいま!」
「っと、おかえり。それと……ありがとう凪」
凪が支えてくれなかったら、受け止められなかったなあ。
「恵鈴とFleurもおかえり」
「ああ――なあ、叶っただろう?」
「そうだね」
意外と早かったなあ。
「あたし、もう少しここに居る」
「分かったわ。いつでも呼ぶといいかしら」
Fleur以外、何も言わずに帰ってくれた。
けど、色々な物を綯い交ぜにした顔をしていた。
それを視界の端で流した。
流石に暗くなってくなあ。
まあ、場所が場所だから仕方ないよね。
だからと言って人が通らない訳じゃないけどね。
あ、通るのは人だけじゃなかった。
動物さんから色々な姿や種族等。
まあ、会ったことないけどね。
「もう暗いけど、大丈夫かしら?」
「大丈夫だよ」
「いつでも呼ぶといいわ」
今はまだ繋がってるから、こうして遠く離れても会話出来る。
意外と便利だよね。
だけど、帰さなきゃいけない。
全部、全部帰さなきゃ。
「どうだ?」
「大丈夫だわ」
「にしても……花がああするなんて珍しいよね」
「ま、遅くなるようなら迎えに行けばいいだろうさ」
「それまでお預けだー」
「ねえ、遊園地どうだったの?」
「楽しかったー」
「それだけじゃなくて、他にも色々あるだろう」
「まどかが元気過ぎて楽しかったけど、大変だったかしら」
「いつも通りだったのね」
「うん! 勿論花が帰ったら――」
「それも、いつも通りだね」
「んー、やっぱり行こーっと」
「はあ、やれやれだな」
4人はお迎えに行く。
しかし、真っ暗だったので懐中電灯を取りに戻る。
そして再び暗闇へ歩み出す。
「いつも思うけどさー」
「これ本当に懐中電灯?」
「よくある懐中電灯より明るいけど、正真正銘、懐中電灯だよ」
「かなり、明かるいと思うが――まあ、いいか」
「Halte!」
「びっくりしたー」
「何事だ」
「驚かせてごめんなさいかしら。それと見て欲しいわ」
「居ないねー」
「ああ。それと――」
「追い掛けましょう」
4人は辿って追い掛けて行く。
地に咲いた、赤黒く咲いた花を頼りにして。
ぶつぶつと何か言ったり、叫びながら増えていく何か。
やらかしたなあ。
まだ残ってたのね。
まあ、消える訳無いよね。
戻らないと決めたからやらなきゃ。
だけどどうしよう。
化け物とか呪いってどうしようもないよね。
気が付いたらやられてるもの。
でも、あたしも化け物で良かったかも。
頑張って動いて逃げてるけど、この出血だとなあ。
まあ……でも、意外と何とかなるのよねー。
やっぱりこの家はよく出来てるなあ。
ま、すぐお迎えが来るでしょ。
あー、ほら、無駄に明るい懐中電灯が――
「派手に咲いたわね、ゆあ」
「地味だよ、地味。2、3本無くなっただけだよ」
「まあ、時間経てばゆあちゃんは元通りになるもんね」
「よし、これでいいだろう。どうだ、ウル」
「相変わらずだね」
「まー、この中じゃあ1番だもんねー」
「そんな事より……帰ろー」
「お願い」
「おいで、ゆあちゃん」
あの人の世界と違って、この世界はこれだけだから恵まれてるよね。
あの人も死にたいなら死んだら良いのに――って、死にたくても死ねなかったね。
あの人の新しい妹が止めるんだっけ、かな。
説得とか色々、出来ると良いね。
「にしても、便利だね。でも汚しちゃうね」
「継花家の母屋等である本家は遥か昔からあり、そしてある時に離れを建てた」
「けどね、色々な事情等で選んだ離れの場所が、不便だったり危険な時もあったの」
「だからこの道を作ったー」
「と、まあ、そんな所だ」
なるほどねえ。
「にしても、突然始まったね、昔話」
「いいじゃーん」
「ゆあちゃんは何も気にしなくていいの」
「ありがとう」
意外とどうにかなるものね。
皆、してる事だものね。
「どうだったかしら?」
「1度きり。悪くはないけど、やっぱり慣れに戻りたくなるよね、まだ」
「仕方ないわ。まあ、そんなものかしら」
そんなこんなで、お家に着く。
「おかえり、ゆあちゃん」
口々におかえりと言ってくれる。
嬉しいな。
「ただいま、ありがとう」




