3 モテたかったら年収が大事?
はい、今回は「年収」ですね。
これもねえ、実際よく聞くやつですよね。
ただよく見ますが、合コンやらでいきなり相手の年収を訊ねるのは失礼ですわね。まあ、お見合いや婚活なら最初から相手のデータは貰ってるでしょうけども。
でも、前回もいいましたが結婚はやっぱり「生活」です。
どっかの仙人やあるまいし、霞を食って生きていけるわけやなし。
単純に恋愛するだけやったらあんまり関係ないファクターでも、結婚となれば大きな条件のひとつになってきます。
ラブラブ新婚生活が終了すると、流れるように待っているのは二人の「超リアルな共同生活」ですわな。そこで絶対に必要になるものが生活費です。
SNSでは、女性が男性の年収の額に執着する、それで相手を選別するといって憤慨する男性をたびたびお見掛けします。たしかに気分悪いですわな。このところ本当に不景気で、ごくごく一部の高額所得者以外は必死で働いても大して稼げないという状況が続いとるわけやし。
ですが、これ無理ない部分もあるんですよ。
いまの日本では、同じように働いていたとしても、どうしても女性のほうが給料が少なめやし。ああ、教師はまったく一緒だとは聞きますけども、そんな職種は少ないですわな。なによりあれ、激務やし。
それに、もし結婚して子どもが欲しいと思っているなら、女性は間違いなく妊娠と出産と子育てのために、その期間は外で働く時間をかなり削られることになる。その間、どうしても働けない日があるわけです。子どもが小さい間はそんなに目を離すわけにはいかない。というか、もうべったりくっついてお世話せんならん。
その間、無収入の夫と一緒に生活していくことはできない。当たり前です。物理的に無理です。
いや、誤解されては困るのですが、ルッキズムと同様、私も決して拝金主義者ではないつもりです。めちゃくちゃお金が欲しいともお金が至上だとも思っておりません。単純に「生きていくにはどうしても必要」ってだけです。この資本主義社会である日本ではね。
というわけで衣食住がひととおり揃っているにもかかわらず、高価なバッグや服や車などをつぎつぎ買うとか、ギャンブルにはまるとか、無意味な浪費をする人のことは決して尊敬はいたしません。そのために高収入の相手を求めてる人なんて、こっちから願い下げやないですか。それでええと思います。
お金でなにもかも解決するわけではないし、それだけで幸せになれるわけでもない。お金持ちが全員幸せかって言ったら決してそんなことはあらへんし。
でも、なければ非常に困るもの。場合によっては命に係わるもの。
それがお金ですわ。
ましてや小さな赤子や幼児を抱えていたらなおさらです。妊婦や子育て中の女性はそうでなくてもホルモンバランスが崩れていて不安になりがち。なるべく不安に感じないで済むだけの収入があることがどんなに大切なことか。そこが切実に「自分ごと」としての意味では理解できてない男性、多いように思います。
赤ん坊は、小さいうちはそんなにお金はかかりません。でも赤ん坊というのは人間です。当たり前やけど。かれらは日を追って育っていくもの。育つにつれて小学生になり、中学生になり、バカ高い教育費がバンバンかかるようになっていきます。
日本では高校の学費が無料になろうとしていますが、たとえそうなったとしてもなかなか全体の教育費は下がっていかないことでしょう。塾や習い事や部活にもかなりのお金がかかるからです。
子どもが男子の場合は食費だってバカになりません。以前、同じ職場にいた女性の先生は共働きでしたが、男の子が三人おられ、「毎月、凄まじい食費がかかる」と、よく嘆いていらっしゃいました。
男女のどちらが生まれるかは、できるまではわからないことです。場合によっては子どもに病気が発見されて高い医療費がかかってしまうこともあります。
子どもだけやないですね。自分だってどこかで怪我や事故や病気などで体が動かなくなり、収入が得られなくなることだってあり得るのです。人生にはいろんなこと、不測の事態が起こり得る。
不幸な出来事を想定しておくのはなかなかストレスでもあり大変なことですが、親になる以上はそういうことも想定して準備していなくては困るわけで。いちばん可哀想なのは子どもですから。
これもSNSからですけど、裕福でない家庭に育った子ども側から「なんでちゃんと将来のこと考えてお金をためておいてくれなかったのか、こんなんだったら生んでくれなくてよかった」みたいな呟き、たまに見ます。
こういう風になってしまったら非常に可哀想です。これらは全部親の責任で、子どものせいではありませんしね。
こうしたことを、前出の「年収で男を選別しやがって」的に文句を垂れる男性たちがどこまで理解しているのか……。そのあたり、かなり疑問に思ってますな。要するに、将来的なことに関する考えや洞察が浅いのではないかなと。
収入が少ないなら少ないで、それなりのライフプランをきっちり立てられているのか、とか、自分の身の丈にあった支出行動をとっているのか、とか。女性にも働いてもらうのなら家事の分担などもきっちりやれる心づもりでいるのか、とか。
結婚はぽやぽやした夢物語やなしに、「生活」に直結した「現実」です。ここをきちんと心しておかはるとええんちゃうかな。
賢い女性なら男性のそういうとこもちゃんと見ているものだと思います。心して情報開示していきましょう(笑)。
「だったら子どもは別にいらない」というならそれでもいい。
ちゃんと夫婦で話し合ってきちんと意思を確認しあって双方納得してるなら、ふたりで働いて幸せに生きていったらええだけです。
その場合は、ある程度収入が少ない男性でもうまくマッチングさえされれば女性と付き合うチャンスがあるかも。
ただその場合、結婚はふたりだけの関係を言うものではないんで、「子どもを作らない」となったなら、反対してくる親族、とくにご自分の親のことはご自分がしっかり事前に説得するようにしてください。
たとえばダンナさんの親がお嫁さんを「子どもも生まないで……」と詰る、なんてのは、いまだに非常によく聞く状況ですんでね。ふたりで決めた以上は、そういうことが決してないようにしてもらえるとええなと思います。
「年収で俺たちを査定するな」という不甲斐なさや悔しい気持ちそのものはよーくわかりますし、そうやって男性を選別する女性が単純に「贅沢をしたい」と思っているのだとしたら非常に浅はかで愚かなことだなと思います。
しかし、ちゃんと未来を見据えて、ある程度の現実的な年収を男性に求めている女性も多い。「ここを理解しないで批判するのは、やっぱりちゃうんやないの?」と思っています。