トゥスタ王都に雪が降りました。
お題『雪が積もったときのお子さんの様子』
ツイッターで呟いた会話文をまとめてみました。一部改稿しています。
(※本編・外伝読了後推奨)
【はじめての雪遊び①】
「冷たい! すごく冷たい! 足が沈むわ!」
「ちょっと落ち着こうな、小鳥さん。はしゃぎすぎると転……って大丈夫か!?」
「雪ってなんの味もしないのね」
「そんなモン食べるんじゃありません!」
【はじめての雪遊び②】
「何作ってるんだ?」
「見てわからない?」
「動物だよな……兎……いや、犬?」
「……猫よ。白いけれど」
「つまり、俺?」
「……」
(クッソかわいいな俺の許嫁)
【初めての雪遊び③】
「そういうあなたは……どうしてそんなに上手なの?」
「小鳥さん、それ褒めてるから」
「しかもいくつわたしを作れば気が済むのよ!?」
「ある意味夢のようだろ」
「あ、あなたが浮気するなら、わたしだってあなたを山ほど作ってやるんだから!」
(あー今すぐ結婚してぇ)
【兵士たち(恋人募集中)は見た】
「おっ、陛下と姫様が雪遊びされてるぞ」
「ありゃ何作ってるんだ? 雪ウサギ……じゃなくて」
「陛下は鳥だろ。姫様は……猫か?」
「そういやおふたりってお互いに……あー」
「「はいはい」」
「王室は安泰だなー」
「独身には寒さが身に染みる光景だけどな」
「言うんじゃねぇ」
【だってもったいない①】
「あの大量の鳥と猫らしき雪像はなんだい?」
「陛下と姫様の愛の結晶だそうですよ」
「ああ、なるほど。しかし、溶けてしまうのはもったいないな」
「そうですね……あっ、地下の氷室に保管できないでしょうか?」
「それはいい! 私から宮宰に頼んでみよう」
【だってもったいない②】
「そこの宰相ちょっと面貸せ」
「おやおや陛下。そんな怖い顔でどうされました?」
「なんで氷室の中にアレが保管されてるんだよ!?」
「『陛下と姫様の微笑ましい愛の結晶が儚く溶けてしまうのは忍びない』と城内から多数の嘆願がありまして。宮宰も快く了承してくれました」
【だってもったいない③】
「そんな嘆願受理すんな!」
「ロナキア公も喜んでくださいましたよ? ついでに上王陛下と大夫人の許にもお届けしろと」
「……おい、まさか」
「おふたりから『嫁がかわいいのはわかるが、くれぐれも風邪を引かせないように』との言伝を賜っております」
【だってもったいない④】
「それでアレクはユーリの部屋に立てこもったと」
「ええ、そろそろ二時間になるかと」
「しょうがないねぇ。悪いけれど、雪像を僕の屋敷に移してくれるかい?」
「陛下には撤去したとお伝えします」
「よろしく頼むよ。まあ、孫ができる頃には笑い話になっているさ」
【それは何度目の冬のことだろうか】
……なんてことがあったのよ、と楽しそうに母は笑った。父はずっとそっぽを向いて黙りこんでいる。
数年ぶりの大雪はひと晩中降り続くらしい。
明日、みんなで雪遊びをしましょうか。母が意地悪く言うと、父は年甲斐もなく耳まで赤く染めた。