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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ナッツクラッカー伝説

ナッツクラッカー3 完結編 ~ Final Ultra Champion Kick ~

ついに最終章です!今まで応援してくれたみんな本当にありがとう!


※2020年 1月 14日 誤字脱字報告どうもありがとうございました!


 今日の敵はサイボーグだった!!


 サイボーグのボディはとっても硬い金属だったので、しのぶのパンチも通用しない。


 しのぶ、頑張れ!!

 いつもみたいに悪いヤツの金玉を潰して、生まれてきたことを後悔させてやれ!!

 それが最強の戦士として生まれた男の宿命!!


 しのぶは一心不乱に敵サイボーグに向かってパンチを打ち続けた。


 ドドドドドドッ!!


 しのぶが強力なパンチをいくら繰り出してもサイボーグのボディには傷一つ、つけることができない。


 「ブハハハッ!!何だ、そのパンチは!!もっとマシなパンチが打てないのか?そんなパンチじゃあ私は後二、三分でダメージ許容量をオーバーしたので爆発してしまうぞ!!」


 予想よりもかなりやばい状況になっていた。


 サイボーグは頭や胸、そして背中から黒い煙を上げて痙攣している。

 そういえばこの前しのぶは深夜に膣痙攣で分離できなくなったカップルを強引にパージして助けてあげたことがあったのだ。


 やはり、しのぶは善の権化。とっても心の優しい男だった。


 「俺の玉砕拳が通じないなんて、どんな鍛え方をしていやがるんだ!!まさか毎朝ラジオ体操とかしているんじゃないだろうな!!」


 四十歳をすぎて、しのぶは四十肩に悩まされることが多くなった。

 苦悶の表情で激痛に耐えるしのぶは、知り合いの整体師から恐るべきマル秘情報をゲットする。

 何と四十肩にはラジオ体操が有効なのだそうだ。

 そして、しのぶは半年の間真面目に早朝のラジオ体操を続けることによって、普通に手を上げることが出来るようになった。


 結果として近所の暇な人たちが、しのぶが公園で一人でラジオ体操をしている姿を見つけて、いつの間にか集団で体操をするという苦行を背負い込むことになってしまったが。


 「ラジオ体操だと?馬鹿な。そんなマイナーな体操などとっくに止めてしまったわ!私がやっているのは今もっともトレンディな体操、中学生体操だ!恐れ入ったか!」


 サイボーグは口から火花を散らし黒い煙を吐き出しながら豪快に笑った。

 敵の最後が近いことを悟ったしのぶは正直トンズラしようかと迷っていたが目の前で元気に中学生体操を始めたサイボーグがかわいそうになってきたので、せめてラストくらいはいっぱしの人間として扱ってやろうと思ったのでその場で見守ってやることにした。


 やはり、しのぶは優しい心の持ち主なのだ。


 「しのぶ。多分、私は…。いやもうすぐ絶対に爆発すると思う。だからお前にだけは言っておきたいことがある。魔女っ子騎士レイアースの光ってあの三人の中で浮いていないか?」


 サブタイそんな名前だっけか。しのぶは脳内の検索エンジンを使って検索してみたが、いかんせん情報が古すぎてエメロード姫の顔さえ思い出すことが出来なかった。


 最強の戦士にも出来ないことはたくさんあるのだ。


 「え?そう?そんな風には見えなかったな。強いていうなら第二部に出てくる中国人みたいな奴等の方が違和感を感じたよ」


 しのぶはカードコレクター(だっけ?)さくらに出てくる相方の子供のことしか思い出すことが出来ない。

 しかも情報が幽玄道士と色々混ざっている。


 (何でこんなところで晴天門とスイカ頭の名前が出てくるんだ。俺の記憶はどうなってしまったんだ)


 しのぶは心の中で泣き叫ぶ。いつしか…しのぶの中で幽玄道士と安達祐実が主演の聖竜伝説がゴッチャになっていた。


 「そうか。どうやらお前とは最後の最後まで意見が合わなかったな。グンナイッ!!」


 サイボーグはフッと儚げに笑うと、その場で爆発してしまった。


 しのぶは玉砕拳の奥義”黄金玉虫”を使って爆風から身を守った。


 究極の防御型と呼ばれる黄金玉虫はしのぶがエッチな妄想をすることで強制的にアドレナリンを分泌させて身体をビンビンに膨張させる技である。

 今のしのぶの肉体に血管が浮き上がったり、黒光りしているのは奥義の効力によるものであり決して淫らなことを考えているからではない。


 サイボーグが爆発したことにより半径1キロくらい吹っ飛んだわけだが、奥義を使ったしのぶはビンビンで健在だった。

 しかし喜ばしいことだけでは終わらないのが現実というもの。

 しのぶの逆に全身が腫れ上がってパンパンになっていたので歩くことが出来なくなっていた。


 (このままでは股間に貯えた生命エネルギーが暴発してしまう。エロイ妄想を中断せねばなるまい)


 しのぶは自分がもっとも興奮するシチュである「カミナリさんとドロンパが手押し車をしている」妄想を中断して、もっとも萎えるシチュ「浦飯幽介が霊銃で背後から桑原和馬の身体に風穴を開ける」妄想を垂れ流し始める。


 (千葉さんの断末魔、相変わらず上手いな。でもこういう当たり前の結果ってどうしても萎えるんだよな)


 ぷしゅー。


 しゅん。


 しのぶのアレ(※ 「コナン君。収まったのは闘志だよ。オチンチンじゃないよ」 … 山崎和佳奈の声でコナン君を諭すような口調で)はしおしおになってしまった。


 「どうにか最悪の事態は免れたようだな」


 しのぶは独り言ち、携帯していたペットボトルに口をつける。

 中身はウーロン茶にサイダーを混ぜた謎の飲み物だ。

 三十年くらい前にウィリーという名前で販売されていた。


 ゴクゴクゴク。


 しのぶは後ろ髪をひかれる思いで勝利の余韻に浸っていた。


 (雑魚を相手に奥義を使ってしまった…)


 玉砕拳の奥義を使えば死人が出ることは明らかだというのに。


 しのぶは後悔の念を払しょくするかのように謎の飲み物を一気飲みした。


 炭酸飲料を一気飲み、つくづくしのぶは男らしかった。

 一般人バンピーのみんなは危ないので止めておこう。


 「見たぞ、しのぶ。玉砕拳の奥義の一つ、アトミックギガシールドを」


 しのぶは声の方を睨みつける。

 その男の立っていた場所は、ジャングルジムの上だった。


 (なぜこんな場所にジャングルジムが。いやむしろさっき周囲一キロを吹き飛ばしたというのに。まさか俺が俺のマーラ様がおとなしくなるまで我慢しているうちにジャングルジムを建立こんりゅうしていたのか!?)


 ジャングルジムの天辺に立っていた男は大人だった。

 しかも上半身はアメフトのプロテクター、下半身はラグビーの半ズボンという格好だった。


 「奥義を見た者を生かして帰すわけにはいかぬ。ここで死んでもらうぞ」


 しのぶは男の股間めがけて飛翔する。

 狙うは袋の中心、人体の急所の一つ”太陽と月の境界線”と呼ばれる部分である。

 ここを切断すると袋から金の玉が飛び出してゲームオーバー(※人生的な意味で)になる。

 ゆえに成人男子はパンツやふんどしを身に着けているのだ。


 「甘い!甘い!拙者は斬尻拳ざんしりけんを極めし天才拳法家!秘技”お尻白刃取り”を使えばこの程度の技いとおかしく!!」


 スカッ。


 渾身の秘技”お尻白刃取り”は間に合わなかった。

 間一髪でしのぶのダイアモンドよりも貴重で価値がある手刀が人体の急所”太陽と月の境界線”をなぞるようにして切り裂いてしまった。


 「俺の秘技が間に合わないとは!!流石はしのぶだ!!」


 しのぶは袋から出てきた缶詰の銀杏みたいなものを握り潰し、そのまま携帯電話のイヤホンのコードみたいに強引に引っこ抜いてやった。


 「金玉を破壊しても死なない人間がいる(※男性限定)とはな。さては戦う前に手術をして本物の金玉を別の場所に移植したのか」


 男は自分の股間に手を伸ばし、破壊された金玉袋を剥ぎ取った。

 どうやらオシッコを出す部分は本物らしい。男は愛敬のある笑顔でウィンクしてきた。


 「流石はしのぶ、そこまでわかっていたとはな。認めよう。お前こそ、俺盛山清太郎もりやませいたろうの最大最強の好敵手であると!」


 盛山は見るからに重厚なアメフトのプロテクターを脱ぎ捨てた。

 装甲の下からははち切れんばかりの鋼鉄と見まごうばかりのマッスルボディが姿を現す。

 そして脱ぎ捨てられたプロテクターは落下すると、大地を激しく揺らした。


 まるでピッコロさんのマントだった。


 「ただの力持ちが俺に勝てるとも思えんがな」


 しのぶも負けじと背負っていたお相撲さんに降りてもらった。

 お相撲さんはグラブルで遊んでいる途中だったので不機嫌そうな顔をしながら文句を言っていた。

 しのぶはお相撲さんにちゃんこ鍋をおごる約束をして謝罪しておいた。

 

 だがお相撲さんという肉体的な枷から解放されたしのぶは本来の力を取り戻していた。


 灼熱のマグマの如きオーラがしのぶの全身を包む。


 (熱い。まるで鍋焼きうどんを食べながらキムチ鍋を食べているような熱さだ。しのぶ、どこまで強いというのだ)


 さしもの清太郎もガードをあげてしまう。


 「しのぶ、お前がいくら本気になろうとも俺を殺すことは出来ない。なぜなら俺の金玉は別の人間の心臓の代わりに移植されているからだ!!」


 清太郎は胸のポケットからどこでもドアっぽい扉を取り出した。

 そして、ドアノブに手をかける。

 扉の向こうには白いワンピースがとても似合う美少女が立っていた。


 「どうだ、しのぶ。このオンナ高浜摩耶たかはままやこそが俺の金玉をその身に宿す女だ。もしも俺の金玉を潰してしまえば!こんな清楚な美人が!死んでしまうんだぞ?どうだ?正義の使者であるお前にそんなことが出来るのか?ああん!?」


 しかし、しのぶにとって高浜摩耶は好みのタイプでも何でも無かった。


 白いワンピーズ、ほっそりとした胸囲控えめな純和風美人的なボディライン、風になびく絹のように美しい黒髪。


 こんなものはしのぶにとっては記号でしかない。


 高浜摩耶は清太郎に腕を掴まれ、苦悶の表情を浮かべている。


 (そうか。俺の障害になるくらいならいっそ殺してくれということか)


 しのぶは緑色のがま口財布を空ける。中には五百円玉が一枚入っている。

 供養の為にジュースを二本買って、コロッケサンドを購入しても十分にお釣りが出る。


 しのぶは二人とも殺すことにした。


 「しのぶ。私のことはいいの!いつものように悪いヤツの金玉を潰して殺してやってちょうだい!でも…出来たら、私が死なないでコイツだけ死んでハッピーエンドを迎えられるような結末を期待しているわ!」


 摩耶は悲痛な面持ちで、しのぶに訴える。


 清太郎はさらに摩耶の腕を引っ張って自分の盾にした。


 「しのぶ!この女の命が大切ならば、今すぐ自分のチンチンを噛んで自害しろ!正義の味方を気取るお前は俺の言うことを聞かないわけにはいかないよな!ああん?」


 清太郎は摩耶の首筋に舌を這わせてから、へらへらと笑った。


 今の清太郎は既に武道家としての誇りを失っていたのだ。


 「お願い!しのぶ!さっさとコイツを殺して私だけ助かるようにして!」


 摩耶は涙を流しながら、しのぶに助けを求めた。


 (ここまでか)


 しのぶは観念したように目を閉じる。


 「わかった。清太郎、お前の言う通りにする。だからすぐに彼女を解放してやれ」


 しのぶは胡坐をかいて、自決する覚悟を示した。


 「ガッハッハッハ!わかればいいんだよ!さあ、さっさと自分のチンチンを噛んで死んでしまえ!俺の見ている前でなあ!!」


 清太郎はようやく摩耶を解放した。


 しのぶは摩耶に「この場を離れていろ」と告げる。


 摩耶は両手で口をおさえ嗚咽をこらえながら走り去って行った。


 「じゃあ、そういうことで地球玉砕拳!!」


 最終奥義”地球玉砕拳”。

 しのぶの持てる力を全て開放する恐るべき技である。即ち、地球の金玉にあたる核の部分を破壊し、地球を破壊する拳である。


 「ぬん!!」


 次の瞬間、しのぶは地球の中心に向かって拳を打ち込んだ!!

 近くにいたお相撲さんと摩耶と清太郎は瞬く間に塵と化してしまった。


 しのぶはどうなったかって?


 「2020年!新年あけましておめでとう!今年もよろしくね!ポイントと感想をお待ちしておりますっ!てへっ!」


 伝説は続く…。

2020年も全力で書きます!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 今年で四十になる私としては、四十肩にはラジオ体操が効くという情報は見逃すことができませんでした。 ナッツクラッカーって、そういう意味だったんですか!
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