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9)


「シローおなかへったー。」


「蒼はなにが好きなんだ?」


「シローくれたものなんでもおいしーよ?

でもしろいのおいしくなかったー。」


白いの?


「、、、もしかしてコレか?」


皿を手に取り、蒼に見せると『あっそれそれー』と

テーブルの上でプルプルしている


(・・))))

———


「コレな、皿って言うんだけど、

食べるものを入れるもので、食べ物じゃないんだ。」


「あっ、そーなんだーわかったもうたべない。」


いつもと同じハムエッグを作ろうとコンロに近づくと


(ん?)


鍋の中が全て固まっていた。

触ってみるとだいぶ固い感触の寒天のような

状態になっている


(ん?寒天?)


俺は即座に鍋の中に『鑑定』を使う


海藻寒天:海藻のエキスたっぷり寒天


「そうか天草だ!確か寒天の材料だったはず。」


俺は手をしっかりと洗い、寒天に触れてみる


ボヨンボヨン


蒼の触り心地とは全然違った。

蒼の気持ちよさはもっとこうポヨンポヨンみたいな

それにもっとしっとりしているような、、、

スプーンを出し、一口食べてみる

なるほど噛むと口の中で削れていくという硬さだった。

天草の量を減らしたらゼリーに近くなるんじゃ、、、


蒼みたいな感触のゼリーを作ってみたい

天草が大量に必要そうだ。


「蒼、今日も昨日の海に行かないか?」


「うみってなぁに?」


「海は昨日行った、水がいっぱいあったところだよ。

それにカタツムリ?がいたところだよ。」


「えっ、いくいくー。」


(((・・)

———


「じゃあまずご飯にしよう。」


鍋の中の寒天を皿に取り分けると

テーブルに置き、蒼を呼ぶ


(・・))))

———


テーブルの上にいつものように飛び乗ってきた蒼は

目の前の物に体を固めると、恐る恐る聞いた。


「シロー、、ぼくなんでもたべるけど、

すらいむはたべたくない、、」


俺は口に含んでいた寒天を吹き出した。


「俺は同族を喰えなんてひどいことは言わない。

これは昨日の晩御飯の海藻でできた物だよ。、、、

あっ、海藻って昨日のこう、、べらべらした奴だよ。」


「あのべらべらがこんなになるの?

ほんとにすらいむじゃない?」


蒼はまだ怪しんでいるようだが

恐る恐る少し溶かしてみると


「あっ、おいしいねぇ。すらいむでもいーや」


と言いながら食べた。

(スライムでもいいって、、駄目だろ、、)




海に『転移』してきた


まだ朝も早いので少し肌寒さを感じた。

秋も始まったばかりだか、どんぐりの季節が

終わる前に蒼の食料を集めないとと思いはたと、


「蒼っ。なにか好物とかないのか?

、、、食べて1番美味しいと思うものの事だ。」



>・・)

‘’’’’’’’’’’’

好物という言葉に体をクイっと曲げたので

言い直すと、理解したらしく


「ぼくのこーぶつはたべれるもの!」


好物は特にないことがわかった。

これからもいろんなものを食べさせてみよう。

蒼の知らない、食べたことのないものを

たくさん食べさせてやろうと思った。


「わーー。すなーー。」


なにがそんなに楽しいのかわからないが

一面の砂にはしゃいでる蒼はぴょんぴょんと

飛び跳ねて行ってしまった。


「あんまり遠くに行って帰ってこれなくなるなよー。」


『わかったー。』


すでに大分遠くにいる蒼は、それでも大きな声で返事した。


(天草、、海藻なら海にあるやつの方が

新鮮だよなぁ、、、)


足の裏に『聖壁』を施し、恐る恐る海の上に立つ。

どうやら思った通り海の上を歩けるようで、

昨日のクリーム色の糸くずを探した。


しかし、、、


(ないなぁ、、、)

砂浜に戻ればいくらか落ちているが、

海に出ると全くなかった。

『聖壁』を体に一層施して、潜ってみても

やっぱり見当たらないので

他に食材になりそうなものを探す。


(アオサって書いてるのに見た目昆布だ、、、

こっちのアオノリも昆布みたいだけど

こっちのアオノリ細いなぁ、、、それに天草、、、??)


手に取った赤い(・・)海藻を見る。

確かに形状は似ているが色が全く違うのだ。


(クリーム色のはカラカラだったから、、、

乾燥させたら色が変わるのか?)


これは実験の余地がありそうだと

アイテムボックスに天草をしまい、陸に戻ると


(..)

@


昨日も同じ光景を見たなと思いながら2匹に近づいていく。


「あの人間の連れ、お前にスライムを食わしたのか!!」


「うん。あのねおいししかったんだよー。」


「、、、あれはスライムじゃないと言ったのに、、」


2匹に近づくとカタツムリ?の背後に立ち、

否定の言葉を述べるがカタツムリ?がバッと振り返り

鬼を見たような顔をした。

始めて前側を見たが、なるほどカタムツリだった。


「よっ、よもや同族を喰らわすなど、、、

おっ、恐ろしいっっ!!」


「喰らわしてない。」


「!?、、、人間、、言葉が通じるのか??」


「あっ、はい。」


魔法で言葉が通じるようにしていること説明すると

『凄まじい魔法もあったものじゃ』と

理解してくれたので、蒼に食べさせたという

『スライム』についても説明する。


「なるほど、確かに『スライム』みたいではあるが

、、、スライムではないではないか!」


カタツムリ?が蒼に非難の視線を向けると


「あれぇ??」


>・・)?

———


と、やはり理解していなかったようである


「それは『寒天』というものじゃ、天草を洗い、

乾燥しては洗いを繰り返し、、、

本来とても手間のかかるものじゃぞ??」



「!!!あのすいません、、、その、、

カタツムリさん?」


「わしはカタムツリじゃ、なんじゃ?カタツムリとは!!」


「しっ、失礼しました。、、、カタムツリさん、

是非その寒天について伺いたいのですが、、、」



早急に蒼に勉強をさせる必要があると感じながら

カタムツリさんに謝りながら

『寒天』について教えてくれないかと

目的と共に相談する。


「、、、なるほどな、、よし、2つ条件がある。」


「はい。私にできることでしたらなんでもいたします。」


「このスライムが教えてくれたんじゃが

『木の実を火にかけたもの』が気になるんじゃ、

わしに食べさせてくれんかのぅ、

それとお主の作りたいという『スライムみたいなゼリー』

が完成したらわしにも喰わしてくれんかのぅ。」


それはほんの些細なお願い程度のことだった。

今後、何か完成したらおすそ分けしに来てみようと思った。


「たぶん、ドングリのクッキーのことですね。

完成品でしたら今ここに、、、あっ、ありますね。

りんごジュースと一緒におやつにしませんか?」


アイテムボックスからクッキーとりんごと

木をくり抜いただけの容器を3つ出し、

りんごを放り上げると、小型の竜巻を起こし、

空中でバラバラにし、さらに潰し液体になるまで潰し、

下に置いた容器3つに誘導して入れ、

それを容器が八分目になるまでりんごを出しては潰した。


「、、、お主、随分無茶苦茶な

魔法の使い方をするんじゃのぅ、、」


呆然としながらりんごジュースを見たカタムツリさんは

それでもクッキーに手を伸ばし、りんごジュースを

飲み、満足したのか俺に光る玉のようなものを差し出した。

それを手にするとスッと俺の中に入り知識が入ってきた。


『海藻についての応用加工の手引き』


俺の魔法は万能じゃない。例えば『転移』だと

自分の知らない場所には行けないし、

『車』を作ろうとしてもどうやって動いているのかを

知らないから作れない。

つまり『知らないもの、知らない事』に魔法は使えないのだ。


この手引き書は頭に直接書き込まれたようにわかる。

『寒天』も理解できるまでは調理しないと作れなかったが今はもう魔法で作れる。『理解』しているからだ。

蒼のようなゼリーも簡単に作れるだろう。

ズルしたような気分になりながら思う。


このカタムツリさんって何者?と、、、


























読んでくださりありがとうございます!!

ブックマークが倍に増えていてビックリしています!!

本当にありがとうございます!!!

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