4・・)
「蒼、僕は今日は町に行こうと思うんだけど?」
(・[•]・))))
————
テーブルの上に向かい合って(蒼はテーブルの上にいる)
朝ごはんを食べながら今日の予定を蒼に言うと
蒼がコクコクと頷いた
「蒼はどうする?」
(((・・)
————
ついて行きたいと言ってるように聞こえた。
「、、、蒼が悪い魔物じゃないって
僕は知ってるけど、他の人はそうじゃないかもしれないんだ、、
君に悲しい思いをさせたくなくって、、、それでね、
君に町にいる間だけ『隠蔽』の魔法をかけてもいいかい?」
(((・・)
————
コクコクと頷く蒼にごめんねと頭?をつるりと撫でた。
「じゃあ行こうか」
骨折の時にする三角巾のようなものを作って首にかけると
蒼をそこにぶら下げた。
『隠蔽』
三角巾ごと蒼を消し(僕には見える)
『転移』
町の近くの森に転移し何事もなかったように町道に
合流し、町を目指す。
ここは真ん中の町とも言われている『ディゥの町』
真ん中の町と言われているのは辺境の田舎と王都のちょうど
真ん中あたりにあるからだ。ちなみに僕は『ウァの町
始まりの町と言われている町の近くに立っている
小高い山の上に住んでいる。
いつもは食材の補充くらいしかしないので
『セネゥの町』ウァの隣の町で
食べるのに困らない程度の食品を大量に買い込み
山からほとんど降りない。
今日は別だ。
(蒼のベッドと、食器、
珍しいものも食べさせてあげたい、、
お金を増やすことも考えないと、、、)
僕1人の時は死ぬまで貧しいご飯を食べていれば
生きていけるだけのお金はあったが、
蒼に贅沢をさせてあげたいと思いだしてから
お金がいくらあっても足りないと感じるようになっていた。
この町に最後に訪れたのは遥か昔だったので、
端から店を見ていくことにした。
(武器屋とか防具屋が多いな、、、あっ布屋がある)
カランカラン
布屋に入ると、手早く済ませてようと店員を探した。
「あの、すいません。この店で1番高いものってどれですか?」
「1番高いものですか?そうですね、
こちらなんてどうでしょうか?
シルクワームの天然シルクで着色など一切しておりません。
肌触りが当店にある中でも最高ですよ。
うちは長さ売りなのですがこちらですと1m金貨2枚
となっておりますがいかがでしょう?」
布の素材はピンからキリまであるが
でも精々銀貨1枚が相場だ
金貨2枚は相場の20倍だった。
肌触りを確認した僕は、こっそり『鑑定』を使い
素材:合成、染色
品質:D
「、、、手触りが好みでないので他のものも見せてください。」
偽物をさも本物のようにいう店員に一瞥すると、
すいすいと店内を移動してみたが、
ざっと『鑑定』で見る限りいいものはなかったので店を出た。
(シルクワームの生地がいいことはわかったから
よしとするか、、、)
次に寄ったのは家具屋だ
「すいません。この店で1番いい木材を使っている
家具を見せてください。」
無口強面で腕っ節の良さそうな店の親父は
顎をしゃくって横の煌びやかな椅子を指した。
(確かにすごいけど『鑑定』、、)
素材:金、鉄、オーク材
品質:B
(まぁこのくらいかな、、、っ)
素材:トレント
品質:S
「おじさん、こっちの椅子っていくらくらいになります?」
一見普通の椅子に僕が注目するとおじさんが驚く。
「ふん、坊主にはわかるのか。こりゃーたけーぞ。
金貨50枚だ。」
(確かに値段は高いけど、、、)
「物に対しては安いと思いますけど、、」
店のおじさんはキョトンとした顔をしたが、
「、、、ガッハッハッハ、、、坊主、いい目をしているな。
本当は何を買おうとしてたんだ?」
「、、、小さいベットを作りたくて、、、できれば最高の素材で作ってあげたいんですが、材木の種類とかわからなくって、、、あの、、」
(これじゃあ最初から買う気がなかった
と言ってるようなものだ)
気を悪くしたのではと恐る恐るおじさんを見ると
「なんだ坊主、お前木に詳しいわけじゃねぇのに
よくわかったな。、、、そうだなこいつぁ
Sランクのトレントから取れる素材なんだが
討伐に時間かけちまって傷がついたら品質が落ちちまうんだ。
一発で倒せた時の素材は最高ってなわけよ。」
僕が不思議そうな顔でおじさんの顔を見て
「怒らないんですか?、、僕明らかな冷やかしですよ?」
「かーっ、何を怒ることがあるんだ。
それなら俺だって坊主を試したじゃーねーか
細かいことは気にするな!俺ぁオメーのこと
結構気に入ったからな!次本当に何かいる時は
この店にまたこいよ!!」
予想外の歓迎を受けた僕は大人しく
次回はよろしくお願いしますと店を後にした。
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銅貨1=¥100
銀貨1=¥1000
金貨1=¥10000
極力一日一話を目指しておりますが、なかなか難しいです。
読んでくださった方々、大変ありがとうございます。