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生物学的考証② ならびに歴史的経緯①

 今回の話は妊娠・出産の歴史も含む、という事で。





 近代以前の妊娠リスクは高い。

 ついでに乳幼児の死亡率も高い。


 そうなると、女の妊娠・出産は回数が必要になるにも拘らず、死亡リスクが高い事になる。1850年ぐらいまでは出産10万回中、450~550人の妊婦が死ぬというレポートがある。そしてその倍の数が産後に死んだそうな。つまり1.5%前後で死ぬんだけど、これを高いと見るか低いと見るかは見る人次第。現代だと桁を二つ減らしています。

 ちなみに、一般的な女性に求められる出産回数は最低(・・)5回。それ未満だと人口減少のリスクが高くなるのです。中世ヨーロッパレベルだと子供が大人になれる確率は60%前後なので、5人産んでも2人は死ぬのが当たり前(・・・・)、そういう事です。なろう小説ではそこまで言及されていませんけどね。


 本来ならここに帝王切開の話なども混ざるんですけど、それは今回横に置きます。



 医療が未熟な分、出産による死亡を避ける手段は「若いうちに出産する・させる」事しかできないです。

 で、5人以上出産するのに何歳ぐらいから子作りするのかというと、12歳ぐらいから、となります。女の子の二次性徴が始まって女になり始める時期ですね。もっとも、参考資料が中世ヨーロッパ(12世紀)の結婚年齢なので、実際に致していたかは不明。15世紀、中世後半では17歳ぐらいから出産していたって話も残っています。日本だと戦国時代に12~13で出産したって話も残っている。

 体が出来てから出産した方がいいというのは分かるけど、歳をとってからでは出産に耐えられなくなるかもしれない。そして妊娠するかどうかは確実性に欠ける「天からの授かりもの」なんて言われる話というのもあって、若いどころか幼いうちから子作りスタートするわけです。

 ちなみに、出産は2年に1回ぐらいらしいです。そして7~10人出産すると。死亡率は10~14%ぐらいになりますが、貴方はそこに賭ける事が出来ますか?



 妊娠中はまともに動けなくなりますよね。ついでに死ななくとも身体を壊す事があります。

 若いうちに何度も出産するという事は若いうちに動けない期間が多いという事であり、社会人として未熟なうちに死ぬかもしれないという事でもあります。そうなると外での働き手に成り得ないのです。家で内職、刺繍か家事ぐらいはやっていたと思いますが、それぐらいが女性の限界だった。

 それを言いかえると、「キャリアウーマン(働く女性)はあり得ない」から「社会の担い手になれない」となります。

 女性は家に、というのはここからきています。





 では、男女貞操観念逆転世界ではどうするか?


・ 妊娠中も働ける。

・ 出産回数を減らすため、乳幼児の死亡リスクを減らす。


 ここまでが最低ライン。

 そこにプラスアルファ。


・ 男性が家に籠らないといけない理由を考える。


 となります。


 なぜか?

 女性が社会に出られることと、男性が社会に出られない事はイコールじゃないんですね。

 このままだと、男と女の立場が同じぐらいになっただけで終わります。

 強いて付け加えるなら、子を産む苦労があるという事で女性を尊重する社会でしょうか? 女性上位にはまだ届きません。強い女性とこれとは、話が違うのです。


 これを分かりやすく考えるなら2種類の方法があると思います。


・ 女性の筋力量を増やす

・ 男女比を女性多数にする


 前者は最初の話で書いた通り。物理的に強いから社会的に強くなる、という事です。

 後者については、女性が暴力的な意味で弱者のままでも可能な、「社会的な強さ」を得る手段です。数の暴力って奴ですね。


 男女の貞操観念が狂うのは、男女比を崩す事でも可能であると。

 貞操観念が逆転した世界で女性の数が圧倒的に多くなるというのは、こうして考えると非常に理に適っていたのです。



 結論:男女比は女性多めで。

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