あべこべの可能性
結局の所、あべこべ小説はこれからも1つの方向性として続いていくだろう。
示された道筋は途絶えること無く、今先陣を切る誰かと、その背を見た誰かが後に続くのだ。
僕らのあべこべは、終わらない。
では、その先にはどんな未来が待っているでしょうか?
現状の「あべこべ」を掲げる作品達は、あべこべメインの物語が多い。ほぼ全部がそうであると言ってもいいでしょう。
私は近い未来において、あべこべがメインではなくサイドディッシュのような、脇役要素になると見ています。
これはあべこべ要素が話の構成要素として成熟した段階で起こる現象です。
あべこべに精通しているとか、研究されなくては、サブ要素に持ち込まれるのは難しい。
我の強いメインだけでなく、他のメイン要素を支える、控えめだがなくてはならない名脇役へと姿を変えるのです。
たとえば重いシナリオに笑いを添える、そんな役割です。
男女比を変える・変えないは横に置き、あべこべ化による常識改変は使い勝手がいいと思うのですが、どうでしょうか。
そこへ至るまでには、多くの経験、多くの作品が必要であります。
応用という難易度の高い技術の為には広くしっかりとした基礎が必要なのです。
最初は学園ハーレム、次に芸能界へと羽ばたいていったあべこべ物だが、今では棋士に漫画家、冒険者に自衛官と、裾野はどんどん広がっています。
その広がりこそが、新しい可能性へと繋がっている。
それら作品を書いた人が、読んだ人が、新しい道へと至ると信じましょう。
私だったら料理人かな。
男性料理人というだけで評価されてしまう為に、本当に美味い物を作っているのか自信を無くしてしまう男とか。
オチはもちろん、本人に自信が無いだけで本当に美味しい物を作っているというわけだが。
……その前に、エタってる「しんでれら」を終わらせないとなぁ。
これにて今回のあべこべ考察は終わり。
続きは、またいつか。