涙
ハデスは ずっと 少女の事を 考えていた.....
少女が 目覚めたら 僕は 何を話せば いいのか
きっと 心が痛くて どうしようも ないだろう
「はぁ〜」
ハデスは 深いため息をつく......
しばらくすると 押し入れのベッドから 少女が顔を出す
「あの......あなたは 誰ですか?」
「......」
ハデスは 説明に困った......
そんな ハデスを見て 少女は
「あの......手当てして...くれて ありがとう
ございます。」
手の包帯を見せる
「あっ...いや...いえ......はい......」
頭を掻きながら 照れくさそうに 笑うハデス
それを見て 少女も 少し和む
僕は そんな少女を見て やっぱり この子は 他の 人間とは 何かが違う......自分の状況を
受け入れてる......そう感じる......
少女は また尋ねる
「あなたは......神様?」
少女の問いに ハデスは 衝撃を受ける
「あ...はい......いや...まだ......」
「見習いなんだね......神様は......こんな
ひどい事 ほっとかないもんね......」
ハデスは 言葉に詰まる......
「......今 起きてる事も 全てに 意味が......あるんだ......」
「どんな意味が あるの?お母さんが......いなくなる意味って...何?お母さんが 私を好きじゃない 意味って 何?そんな......意味なんて...なくていいよ......」
ハデスの心が 動き出す
少女を抱きしめ
「......ごめんね...何も できなくて......」
「私ね......お母さんが 弱い人だって 分かってるよ......一人で 私を育てる 自信がなくて......でも 一生懸命 育てなきゃって ずっとずっと 思ってて......心が ついていかなく...なったんだなぁって...きっと 後悔してる 気がする......だから......私は......」
少女は 初めて 涙を流す......少女の目に たくさんの 涙が溢れる......
ずっとずっと 我慢してたんだね......
なんて......強くて......脆い子なんだろう
ハデスは さらに強く 抱きしめた。
少女は 初めて 子供のように 泣き続けた.....