誰ですか?
ハデスは 少女を 抱きしめたまま......
離す事が できなかった......
「す...すみません......助けてくれて ありがとう ございます」
ハデスは そっと腕を離し
「.....もう 大丈夫だから...」
「えっ!?あの......名前......」
と 言いかけて 振り返ると 誰もいない......
少女は 首を傾げ 困った顔を しながら
「誰?だったのかな......」
呟いた......
そして、歩きながら......途方にくれる......
私は どうしたら いいのか......家に......
帰りたくない......でも......お母さんに
迷惑がかかる......どうしたら......いいの
ただ ひたすら 歩く少女......
少女の足は 家へと 向かってた......
ハデスは 少女に寄り添い 歩く......
二人の 時間が 流れる
家の前で 足が止まる......ハデスは 少女の肩に 優しく手をおき 心に呼びかけた
(もう 大丈夫だから)
少女は 一歩前へ 進む......そして、大きく
息を吸って 家の中へ......
誰もいなかった......少女は 安心したのか
力が抜け 座り込んだ
ハデスは 優しく 少女の頭を 撫でる
少女は ふと上を 見上げる......
ドックン ドックン ドックン
ハデスの胸は 高鳴り 鼓動が熱い
少女は 首を傾げ 頭を触る......
気のせいかな......今日は 不思議な感じ...
誰かいるような......そんな気がする
あれから 男性は 二度と帰って こない
母親は 寂しさのせいか 少女に 辛くあたるようになった......
何故か この頃から 少女は よく笑うように....