別れの時
ハデスとタナトスは 二人を静かに 見守る
「おっ......お母さん わた...私 お母さんが
居なくなっても 寂しくないから......だから
私から 嫌われた方が いいなんて......
悲しい事 思わなくて いいんだよ...私は......ずっと ずっと......
最初から 大好きだった
お母さんから 生まれて これただけで 幸せだよ!
いっぱい いっーぱい!
一緒に 居たかった......
最後の時まで ずっと 一緒に 居たかった......
もっと もっと たくさん 話して 笑って......
怒られて 泣いて いろんな事を 一緒に 感じて
最後の時を 過ごしたかった......
もっと 早く
気づいて あげたかった......
私を 生んでくれて ありがとう......
お母さんの娘で よかった......
抱きしめてくれて うれしいよ......
お母さん......おかあさーん!」
母親は 優しく マナの頭を 撫でる......
「ありがとう......マナ......ごめんね......
本当は 嫌われたくない!
ずっと 好きで いてほしい......
マナが 生まれてくれて
マナに 会わせてくれて 本当に 幸せだった.....寂しい 思いを させてばかりで 苦しくて......マナに たくさん してあげたい事が あったけど できなくて
ごめんね......
愛してる 私の大事なマナ......
もっと 一緒にいたい......マナの成長を 一緒に
感じたい......
ずっと ずっと
マナを 見守ってる......忘れないでね
ちゃんと 見てるから......愛してる マナ
ありがとう......幸せだったよ マナ」
母の姿が ゆっくりと 消えてゆく......
そして 白く光る魂に......
光に包まれ タナトスと消えていった......
小さな声で
「おかあさん......」
ハデスは 愛しいマナを 抱きしめる......
「ハデス......ありがとう......」