帰り道
茜色の空が やけにキレイな時間時......
僕は マナを 学校に 迎えに行く......胸に緊張を 隠すので 精一杯......何から話すべきか...
頭が痛い......マナは 一人ぼっちに......
そんな事は......させない...させたくない
ハデスの 思いとは別に 時間だけが 迫ってくる
そんな 思いに ふけていると
校門を 出てくる マナが見えた......
マナは キョロキョロしながら 小声で ハデスを
呼ぶ
「ハデス......ハデス」
「マナ!」
「ハデス‼」
マナは 嬉しそうに 微笑む......
そんな マナを見ると......心が揺らぐ......
マナは 僕を察したのか
「どうしたの?なんか......いつもの ハデスと
なんか違う......なんか あったの?」
「......少し 公園に 寄って 行きませんか?」
「......いいよ」
二人の間に ぎこちない 空気が流れる......
茜色の空も 次第に 消え 辺りは 薄暗くなっていた
公園に 着いた 二人は......ベンチに座り
しばらく 沈黙が続く......
マナは 沈黙に 耐えきれず 口を開く
「も〜ヤメヤメ!空気重いから......ハデスは
男の子でしょ!ちゃんと 聞くから 話して...」
「ごめん......マナは お母さんの事 好き?」
「......嫌いだって 思った事ないよ!逆に お母さんは 私の事 好きなのかなって 嫌われてるのかな......とかは 思ってた......どうして?」
「会いたい?」
「会えるなら......会いたい」
僕は 深呼吸して マナに 話した
「これから 離す事 全部 本当の事だから......
話を全部 聞き終わったら マナが決めて!」
マナも 真剣な眼で
「分かった」
ハデスは ゆっくりと 語り始めた
「僕は マナに 内緒で マナの母親を 探したんだ
...やっと見つけて 着いたところが 病院の中の
病室だった......そこに 知り合いの 死神のタナトスがいて マナの母親は 一週間後 死ぬと言ってた......マナに 辛くあたったのも 家を出たのも......もう 長くないと わかってたから...
マナが......自分と一緒に いると 苦しむと
分かってたから......
マナを 自分から 遠ざけた
嫌われた方が マナを 楽に生きていけると 思ったんだね......マナが ずっと泣き続け ないように
嫌われる事を 選んだんだね......」
「......」
「マナは ずっと 愛されてたんだよ......ずっと
ずっと......最初から......愛してたんだ」