襲撃、クルガンオオトカゲ討伐
翌日。
洞穴の前に集まった参加者は五人。
「今日はお集まりいただき、ありがとうございました」
宗弥とエマ。ヒューゴと、リーズと、ドミニク。スカウトした全員が来てくれた。
エマはいつもの腰に色々下げた武器のほかに槍を担いでいた。赤い槍で、先端の刃が三叉に分かれている。持ってはいたが、特に重要な場面以外で使うつもりは無かったらしいが、今回は一度失敗したクエストのリベンジということで持ってきた。
ヒューゴは軽装はやめて使い込まれた白銀の甲冑を前進に纏っていた。ヘルムだけはどうしても買い戻すことができなかったため、頭は露出したままになっている。武器は大楯と巨大なメイス。とてもじゃないが常人に扱える重さには見えなかった。
リーズと、ドミニクの格好に関しては出会った頃と同じような格好で、リーズは黒いベールを外してきていた。
「御託は良い、さっさと始めるぞ」
不機嫌そうにエマが言った。
「それもそうだね。簡単に説明をしよう。今回のクエストは目の前の洞穴の中に潜んでいるクルガンオオトカゲの討伐だ。この間、エマと、そこにいるヒューゴさんと一緒に来たんですが、返り討ちに遭いまして。今回はそのリベンジになります」
「今回はどうしますか? 自分が引きつけるって方法が一番良いと思いますが!」
「なんでヒューゴは前回のことから反省しないんだ。今回は隠密作戦で行くぞ。失敗した時にここで迎え撃つ、いいな?」
「はい……」
「それと、そのドクケシソウまだ持ってたんだね……」
ヒューゴは未だに、大量のドクケシソウを背負っていた。返品がきっとできなかったのだろう。フル装備なのに、牧歌的なカゴを背中に背負っている。それが全くと言って良いほど似合っていなかった。
「何かの役に立つかと思いまして!」
「立たねーよ」
一蹴。
「それで、どうやるんですか?」
呆れてドミニクが言ってきた。
「クルガンオオトカゲの生態を考えるなら、今の時間は眠っている可能性が高い。あたしとあんたで穴の中に入って、一体ずつ寝ている間に撃破する」
「私と、となりの騎士さまは何をしたらいいかしら?」
「ここで待機していて欲しい、要望があるとしたら何が起こっても良いように待機していて欲しい。ダメだった時にここで戦うことになるから」
「承知いたしました」
「ドミニクが先行して、斥候をしてもらってあたしが後から付いて行って一突きする。三体倒せばクエストは完了だ」
「分かった。戦いになった時に戦闘力はそこまで期待しないでくれ」
「正面からの戦闘するのは基本的には無しだ、その時はここまで戻ってくる。今回うまくいったとしても三回に一回ぐらいしか中で全部倒せる見込みはない。殆どの場合で、あんたらにも出番はあるからな」
「了解したよ、エマ。ぼんやりして殺されないようにお留守番頑張る」
「宗弥はここではぶっちゃけ役立たずだからな……」
何で来たしみたいな目で見られる。
「だって、めでたい場じゃないか。このパーティーが今後の主力になってくると僕は考えている。今日のクエストを簡単にこなしてみんなでご飯を食べに行こうよって誘いたいわけだ」
「何考えてんだが。ドミニク、行くぞ」
エマがドミニクの横を通り過ぎながら言う。何の迷いもなく洞穴の中へと向かって行く。
「上からものを言うな。ところでアンタ夜目は効くのか?」
「問題ないぐらいには見える」
「ああそう」
エマとドミニクはお互いに言い合いながら、洞窟の中へと入って言った。仲が悪そうに見えるが、意外とうまくいきそうな組み合わせだと思った。
二人が洞窟の中に入ってから、残った三人は完全に手持ち無沙汰になった。
「とりあえず、ヒューゴさんは背中のドクケシソウ下ろしたら?」
「そうですね……」
ヒューゴがしぶしぶドクケシソウが山ほど入ったカゴを下ろした。




