表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/162

2回戦 VS怪力王ギガント

「第十三回、究極闘技王座決定戦! 二回戦の開幕だ! 東サイド! エマ・バレーの入場だ」


 けたたましいくなり響く銅鑼の音を聞いてから、中に入るようにと指示されたのでそのようにする。


 槍を担いで、今日も退屈な仕事なんだろうなと思いながらコロシアムに入っていく。


 客席を見渡して、一回戦よりも観客の数が多いように見受けられた。なんというか昨日よりも注目されている気がする。


「閃光のエマ・バレー! アルミンにも名前が轟く超実力派の出場者だ。主催者はじめ私もマークしてなかったから今日の今日まで全然情報が無かったんだよね! 予選をものの数十分で終わらせ、一回戦ではオーディナリーブレイドのトッド選手を試合中に眠りながらも撃破した! 前代未聞の衝撃は彼女の曾祖母にあたるマリア・バレーをも彷彿とさせる。今大会最大のダークホースだ!」


 沸き立つ観客。


 え、今更気が付いたの? という感じが強いがそういえば今朝の新聞でエマの肖像画がトップに描かれていたのは確かだった。


 恐らくこれまでの功績とか、アルミンに来てからの事も書いてあったのだろう。それは確かに注目したくもなるなぁと他人事のように思うのだった。


「西サイド! ギガント・ギボッグの入場だ!」


 銅鑼がなると、地鳴りのような足音が辺り一帯に響き渡り一人の大男が姿を現した。


 およそ成人男性の倍程度上背があり、成人男性の倍程度幅があった。ざんばらな黒い髪に歯並びの悪い歯。開ききった血走った目。布を適当に縫い合わせた粗末な服に、人間一人分ぐらいの大きさの棍棒を携えていた。


「アースクエイクのギガント・ギボック。歩くだけで地面を鳴らし、たたきつければいとも容易く地面を揺るがす今大会切ってのパワーファイターだ! 彼の殴打を真正面から受けて堪え切れたものなど存在しない。さあ、閃光のエマがすべて躱し切り、痛烈な一撃をお見舞いするのか、アースクエイクのギガントが逃げるエマを捉え、その棍棒で粉みじんにするのか! さあ、どっちだ!」


 審判が間から入場し、ギガントと目を合わせる。


 本当にデカいし、巨人タイプの魔獣と言われても遜色ない気がしてきた。


「ガキがよく出てきたな。コナゴナにしてやるよ」


「語彙は見た目通り貧弱なんだな」


「ナニぃ!」


 殺意をむき出しにするギガント。エマはギガントが見たまんま過ぎて少し悲しくなった。


「はじめぇい!」


 試合開始がアナウンスされる。


「俺の棍棒で、全ての地面に立つものは俺一人。アースクエイク!」


 武器魔術の詠唱と解放。ギガントは叫ぶと地面に思い切り棍棒を叩きつけた。


 コロシアム全体が波打つように揺れて、立っているものは転び、座っているものは椅子から転落した。


「おお、アースクエイク本当に使えんだすげぇ」


 エマは普通に感心した。


「調子に乗るんじゃねぇ! 地面ごとぶちぬいてやる! アースブレイク!」


 ギガントは一挙に踏み込んで、痛烈な一撃を叩き込んでくる。ヒューゴも使う鈍器系の武器魔術だ。


 それをエマは真正面から受けた。


「なに?!!」


 ギガントの一撃はかなり訓練を受けた人間であっても、地面ごとぶち抜かれるほどの力があった。


「どんなもんかと思ったけど、ヒューゴの方がつえーわ」


 ただし、日頃からヒューゴの技を近くでみて受けている身からすれば、威力も、精度も、速さも劣る下位互換に過ぎなかった。


 正面から受けているようで、僅かに力が最大になるポイントを外し、自分が最大の力で受けられる場所でインパクトを作る。


 ギガントが慌てて飛び引いた。


「そんな、そんな馬鹿な! 俺より力の強い人間がいるわけが」


「いるんだなこれが。んじゃ、あたしの番。いくぜ」


 エマは、相手に向ける先を穂先から、柄に変更する。


「我がバレー家に伝わる奥義その断片をちょこっとだけ。炎の奔流よ、彼の天鱗を打ち砕く力を与えよ。この一撃に於いて全ての竜を打ち砕かん。天鱗砕き!」


「ちょ、ま、待てーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


 エマの槍は炎に包まれて、槍から炎を吹き出しながら、ギガントの腹に槍をぶつける。


 ギガントの腹にめり込み、次の瞬間コロシアムの壁に深く埋まった。


 数秒して、ギガントが前のめりに倒れて起き上がって来なかった。手ごたえ的に死んではいない。


「だ、ダウン!!!!!!! なんということでしょう! ギガントの一撃を受けき切ってあまつさえ、一撃で倒すとはいったい誰が良そう出来たことでしょう!」


「まあまあ良かったから、ご褒美だよ」


 と、エマは満足そうに言うとコロシアムを後にした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ