第4話 「クソだ!クソ!!!」
<1月1日:アルド兄さんの描写を追加致しました。>
それからまた1年経った。
「おいキモーネ!!」
自室で本を読んでいるとマリオネッツ家次男のマクソール・クリオネッツに呼ばれた。
誰がキモーネじゃ。
このクソは6歳で父親譲りの茶髪でイケメンだが狐っぽい顔している。
ちなみに僕はナルシストではないが母に似て綺麗といわれる。
まぁ、黒髪黒目だから誰よりも見た目はこの世界の基準に合わないと思うが。
だが、マクソは狐のように賢い知能は持ってない。所詮持っているのは子供の悪知恵ぐらいだ。
「なんですかマクソ兄さん。」
でも、僕は意見できない、忌み子だから。
「兄さん?兄様と呼べっていったろ!ゴミが!」
ドスッとお腹を蹴られる。
普通に痛い。
「す、すみません兄様…。」
「へんっ、お前みたいな気持ち悪くて忌み嫌われてるやつなんて死ねばいいのにな!なんで生まれてきたんだよ!父さんたちも殺せば良かった、って嘆いてるぜ!」
「………。」
「黙ってんじゃねー!」
今度は足を踏まれる。
蹴られるよりは痛くないが2歳と6歳じゃ体格が違いすぎる。
踏まれている右の足が悲鳴を上げる様にギシギシ音がなる。
「痛いっ、兄様やめてくださいっ!」
「うるせー!!!死ね!死ね!!!」
そういい僕をまた蹴り始めるクソ。
すると、廊下からバタバタと足音が聞こえる。
「おい!マクソールなにやってんだ!!!!」
「げっ、アルド……。」
苦虫を潰したような顔するクソ。
アルド兄さんはそれを無視して僕のほうへ駆け寄って来た。
「大丈夫か?……何されたんだ?」
「何もしてないよ~。」
クソが答える。
「お前に聞いてない!!!」
アルド兄さんがクソに怒鳴る。
「ふん!忌み子が調子に乗るなよ!!」
そう捨て台詞を吐きクソは部屋を出た。
「アルド兄さん……。」
「大丈夫かリオーネ?可愛そうに足が腫れている……。」
そういい兄さんは僕の足を優しく撫でてくれる。
兄さんの名前はクレアルド・クリオネッツ。
クリオネッツ家の長男だ。
素敵で光を綺麗に反射するような茶髪を持っており、
すごくイケメンで可愛らしい顔立ちだが、すごく頼りあって、
僕に優しくしてくれるいいお兄さんだ。10歳なのにすごく大人びている。
「アルド兄さんありがとう、もう大丈夫だよ。」
そういい、笑顔作る。
そうすると兄さんも笑顔を返してくれた。
「でも、マクソールのやつ、弟にこんなことしやがって……。大体父様も母様も酷過ぎる!自分たちの子供なのに………。」
「兄さん、それは言ったら駄目だよ。兄さんはこの家を継ぐんだから…。」
「リオーネ…。…すまない、弟がこんなに気遣ってくれてるのにな、俺は…。」
「兄さん違うよ!兄さんはとっても優しくて!どんな人にも平等で!
僕はそんな兄さんに憧れているよ!」
これは本心だ、だってこの時代父や母に逆らうことさえ口にするということは殺される可能性もあるわけだ。次男もいるしね。
そして兄さんは本当に誰にも平等に接していて、
本当にいい兄だと思っている。
僕のほうが子供だと感じてしまうことも多々あるしね。
「そうか…。じゃあ、リオーネの期待添えるよう頑張るよ。」
僕はその言葉に笑顔を返した。
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