第1話 「ぬぅ………すまなかったの………。」
「ここは…?」
目を開けると真っ暗だった。
何でこんなとこに……?
あ、そうだ、僕死んだんだった。
ってことは、ここがあの世なのかな?まぁ死んだ僕にとってはこの世だが。
体の傷はどうなっているんだろう。
刺された場所をサワサワと擦って見ると、特に痛みは無かった。
どうしてだかはわからないが傷は治ってるみたいだ。
疑問があっても痛いよりは100倍いいので気にしないで置こう。
「さて、どうしようかな。」
そう呟いて僕は立ち上がった。
ここにいてもいいけど真っ暗でつまらないから、
取りあえず進んで見る。
「自分の足元しか見えないな…。」
それぐらい真っ暗だった。
1分ぐらい歩いて立ち止まった、いや、実際は10秒かも知れないし5分かも知れない。
それぐらい時間感覚が狂ってるのが分かった。
すると、奥のほうから誰かが近づいてくる。
まさか、刺殺ちゃん追っかけきてないよな?
やめてくれよ?
すると真っ暗なここに対抗するような煌く綺麗な銀髪を持つ
目は大きくまつげは長くまるで絵から飛び出てきたような
僕の腰ぐらいの幼女が現れた。
その幼女は目の前で立ち止まり、
土下座した。
「すまぬかったぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!」
ドゴンッとやばい音が聞こえる。
そしてその音ともに空間が揺れるのが分かった。
「え、いや!いきなりどうしたの?!頭痛いでしょ?ほら上げて!ちょっ、土下座しなくていいからぁ!!!」
なんで僕は幼女に土下座されてるんだ、すごく焦った。
社会的に抹殺されちゃうよ!
やばいやばいやばい!いくら僕の両親でもこれは許してくれないだろ!!!
「うぅ…ワシのせいで、そなたが死んでしまったのじゃぁぁ!!!!」
「いや違うよ、少なくとも僕を殺した人は君じゃないよ。」
「ワシがっ…ワシがそなたを守れなかったばっかりに……。」
「えっと………。」
よく分からない一体どういうことだ?
「んと、よく分からないから説明して貰ってもいいかな?ほら、頭上げて。」
そうして彼女は頭をゆっくりと上げ僕を見つめ話し始めた。
「まずワシの紹介をしよう。」
彼女はそういい立ち上がり、白色で小さな手を慎ましい胸の前に置いて、
自己紹介をし始めた。
「ワシは地球を作った神じゃ。」
「えっと、神?あの、崇拝されていてそういう…。」
「そうじゃ。ちなみにお主を殺したあやつも別の世界の神じゃ。」
「え?!そうだったの?!」
「そう、だから名前を異(世界の)神しさつ(視察)としたのじゃ。」
「あ、アメリカから来たってのは?」
「この時期に転校してくるなんて説明が難しいじゃろ?だからアメリカから来たことにしたんじゃ、あと常識から逸れたら日本とは違うみたいな言い訳もできる、と思ったのじゃ。」
「一石二鳥ってわけか、でも、神様は異神さんのこと見張れなかったの?」
「う、うむ、そこなのじゃがあやつ、ワシが持つ別世界であやつの息がかかったものが暴れての……。」
なるほど、それの対処している間は見張れなかったわけか。
「ふーん、別世界のほうは大丈夫なの?」
「そ、それが………。」
言いづらそうに僕の目から視線をずらして俯く。
見た目と合わさってまるで悪戯がばれた子供のようだった。
「対処しきれてないんだね……。」
「う、うぐっ、だ、だってワシも別世界作ったばっかりで力が一旦失われてての……。
そのぅ、ワシのせいでそなたが死んでしまったのに、ここに来たとき主であるワシが居らんかったら申し訳ないじゃろ……?」
うーん、まぁ僕は気にしないけどなぁ。
別世界、ってか異世界は大丈夫なんだろうか。
「じゃあ、別世界は今でも危険ってこと?」
「う、うむ一旦敵の封印はしたんじゃが配下の者どもが復活させようとしてきての…。
しかもその世界にももちろん人間はいるんじゃが、敵のせいで文明を偉く衰退させられておっての……。」
文明衰退ってどんだけ人間おされてるの……。
すると神様はなにか思いついたように手をポンっと打った。
「そうじゃ!そなたが異世界で戦ってくれぬか!!!」
え?いや、神でも厳しかったのに僕とか、無理でしょ?
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