第17話 「復讐へ。」
学園長はそこまで話すと目を閉じ上を向いた。
そして少し経った後こちらに顔向け目を開け言った。
「だがら時空魔法の開発に協力して貰いたい。」
もちろん、答えは決まっている。
「無理です。」
僕ははっきり、そう答えた。
学園長は目を見開き驚いた。
「な、何故じゃ!何故協力を断るのじゃ!!!」
僕も協力したい。
でも、無理な理由がある。
あの時、神様と約束したからだ。
異世界の情報を教えて貰い終わったあと神様が唐突に僕に質問してきた。
「そなた、過去変えることをどう思う?」
過去を変える、ねぇ……。
「うーん、出来たら便利かな、とは思うけど…。」
「まぁ、そうか、そう思うじゃろうな。」
「どうしたの?」
率直に思ったことを聞いた。
僕から聞くことで神様も話しやすくなると思ったからだ。
「これも昔の話じゃがな、とある世界で問題が起きってしまった。
そこでワシは過去に戻りその問題を事前に止めた。そして人々は豊かになったのじゃ。
そして豊かになった人々は過去への行き方を模索し、過去を変えるために過去へ行った。
しかし人にとって都合の良いことと悪いことは表裏一体じゃった。
その度に過去へ飛び、いずれ収拾がつかなくなり、世界は崩壊した。」
「そのときやっとワシは気がついたのじゃ、過去を変えてはならぬ、と。」
そうして神様はため息を吐き言った。
「運命というのは世界という生き物が選んだ選択肢のことなのかもしれん。」
「答えろっ!何故!何故協力をしてくれないのじゃ!!!」
学園長が握り拳を2つ作り言った。
僕は神様からの受け売りの言葉を吐いた。
「運命というのは世界という生き物が選んだ選択肢だから。」
そういうと学園長は机を吹き飛ばし切れた。
リメーレとレナ姉さんは怯えている。
「ふざけるなっ!!!!何が世界の選択肢だ!何が運命だ!!!そんなものあるわけない!!!」
「ある、僕たち自身が世界なのだから、僕たちの選択が世界の選択というものでもある。」
「馬鹿にしてるのか!!!もう許さんぞ!!!!さっきから戯けたことを!!!!!!」
そういうと学園長はウィンドウアローを唱えた。
「協力しなかったことをせいぜい後悔するんじゃな!!!!!!!!!!!!!」
僕はディスメンタリング(消えろの正式名称)を唱えた。
ウィンドウアローは僕の目の前まで迫ってたが溶けるように消えていった。
「な、何故じゃ……!?何をしたんじゃ…。」
呆然とする学園長に僕は答えた。
「魔法を消す魔法があってもおかしくないでしょ?」
「なんじゃと……!そんな出鱈目な魔法…。」
悔しそうに下唇を噛む学園長。
しかし、目からは諦めてないことが受けて取れた。
「ただの魔法が聞かぬなら!精霊魔法!炎の精霊よ血を焦がせ!ブラッディヒート!!!」
唱えたが何も起こらない。
学園長はあたりを見回し焦った。
「な、何故じゃ精霊!ワシに力を貸してくれぬのじゃ!!!なぜじゃ!!!!」
髪を掻き乱し叫ぶ学園長。
そして学園長は僕の腕を掴んで懇願した。
「頼む!頼む!!妹を救えなかったら!ワシは!ワシはどうすれば良いのじゃ!!!」
「未来を変えることはできますよ?」
そういうと学園長はどういうことか、と聞く耳を持った。
「過去を変えなければいいんです、死の復讐は死でしましょう。
魔竜、いや精霊神竜の力を奪い、妹さんを生き返らせましょう。」
「で、できるのか……?」
僕は自信を持って答えた。
「出来ます。」
「頼むっ!妹をっ!妹を!!!」
そういうと学園長は僕に抱きつき涙を流した。
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